仲介手数料が無料だと、実は損する?

資産家資産家

不動産屋さんのホームページを見ていたら、売主の仲介手数料が無料のところがあるの。

手数料が無料だと助かるんだけど、本当に大丈夫なのかしら?

そうだ、佐藤さんに聞いてみよう!

マンション売却アドバイザーマンション売却アドバイザー

こんにちは。マンション売却アドバイザーの佐藤です。

最近では、差別化を図るために、売主の仲介手数料を無料とする不動産会社を、見かけるようになりました。

本来、仲介手数料の額は、売買価格が400万円以上の物件であれば、「売買価格×3%+6万円」が上限です。

したがって、もし、売買価格が2,000万円の場合は、66万円になります。

決して安い金額ではなく、どちらかと言うと「高い!」と思われる方が、多いのではないでしょうか。

その仲介手数料が無料になるとすれば、お得だと感じますよね。

しかし、必ずしも得するわけではなく、トータルで考えると、結局は損する可能性がありますので、注意が必要です。

今回は、仲介手数料が無料のカラクリについて、お話させていただきます。

資産家資産家

仲介手数料が無料であれば、不安を感じながらも、お得だと思っていたわ。

トータルで考えると、損する可能性があるんだね。

色々と教えてください!佐藤さん!

1.なぜ、仲介手数料が無料なのか。

マンション売却アドバイザーマンション売却アドバイザー

まずは、仲介手数料が無料になる理由から、お話しさせていただきます。

不動産会社(以下、仲介会社と呼びます。)は、仲介手数料を受け取ることで、経営が成り立っています。

仲介手数料が無料であれば、はっきり言って、経営が成り立ちません。

では、なぜ、売主の仲介手数料を無料にすることができるのか。

その理由は、買主から仲介手数料を受け取っているからです。

これが、「売主の仲介手数料が無料」である理由なのです。

1-1.不動産業界の仲介手数料の仕組み

1-1-1.両手とは?

仲介会社は、売主から売却の依頼を受けて、「自社」で買主を見つけることが出来れば、売主と買主の両方から、仲介手数料を受け取ることができます。

これを専門用語で、「両手」と呼ばれています。

売主と買主の「両方」から「手数料」を受け取ることができるため、略して「両手」と呼ばれています。

1-1-2.片手とは?

一方、不動産業界では、同業者の間で物件を紹介しあえる仕組みになっています。

したがって、売主から売却の依頼を受けて、「自社」ではなく「他社」が買主を見つけるケースもあります。

この場合、売主から売却の依頼を受けた仲介会社(元付け業者)は、売主から手数料を受け取ります。

そして、買主を見つけた仲介会社(客付け業者)は、買主から手数料を受け取ります。

これを専門用語で、「片手」と呼ばれています。

それぞれの仲介会社は「片方」から「手数料」を受け取ることができるため、略して「片手」と呼ばれています。

1-2.仲介手数料が無料の理由は「両手」だから。

売主の仲介手数料を無料としている仲介会社は、「両手」で契約して買主から仲介手数料を受け取るため、経営が成り立つわけです。

ただ、仲介会社が「両手」のみを目指して売却活動することには、大きな問題点があります。

売主にとって、早く売却したり、高く売却することが難しくなり、不利益になる可能性が高くなります。

資産家資産家

えっ、そうなの!?

「両手」の問題点って、何なのかしら?

2.「両手」の問題点

マンション売却アドバイザーマンション売却アドバイザー

仲介会社にとって「両手」は、一つの売買契約で、売主と買主の両方から手数料を受け取ることができますから、非常に効率が良い仕事になります。

したがって、どの仲介会社も、できることなら「両手」で契約したいものです。

ただ、「両手」で契約することを目指すとなると、売主と買主にとって不利益になる行動を、とってしまいがちになります。

2-1.早く売れにくくなる。

先ほども言いましたが、不動産業界は、同業者同士が物件を紹介し合える仕組みになっています。

売主に不利益にならないように、そのような仕組み作りがされているわけですね。

しかし、仲介会社が、それを無視して「両手」を目指すのであれば、自社(元付け業者)で買主を見つけることが絶対となります。

したがって、他社(客付け業者)には、絶対に紹介させないように行動します。

本来、他者(客付け業者)が物件を紹介したいと思ったら、元付け業者に紹介ができるかどうかの確認をとります。
元付け業者は、何か特別な事情がない限り、応じなければなりません。

しかし、「申し込みが入っているから、紹介しないで欲しい」などの嘘をついて、紹介させないわけです。

これを専門用語で「囲い込み」と言います。

これでは、売主にとっては広告の幅が狭まります。
売主は機会損失となり、不利益になってしまいます。

2-2.高く売ることが難しくなる。

上記のように、他社に紹介させないような行動を取りますから、広告の範囲が狭まり、当然、高く売れにくくなります。

資産家資産家

仲介会社が「両手」を目指すとなれば、売主に不利益な行動をとってしまいがちになるんだね。

それだと、仲介手数料が無料でも、結局は損することになりそうね~。

3.結局は損することになる。

マンション売却アドバイザーマンション売却アドバイザー

仲介手数料が無料でも、仲介会社が両手を目指すのであれば、早く売れにくくなるし、高く売れにくくもなります。

トータルで考えると、結局は損することになります。

マンションを売却する際は、売主の立場にたってくれる、信頼のおける不動産業者に依頼して、しっかりと仲介手数料を支払った方が、マンションを早く高く売ることができ、結果的には得することになるでしょう。

資産家資産家

なるほど、そういうことなんだね。

仲介手数料が無料のところを選ぶよりも、売主の立場にたってくれる、信頼のおける不動産業者に依頼した方が、結局は得するんだね。

まとめ

マンション売却アドバイザーマンション売却アドバイザー

今回は、仲介手数料が無料のカラクリについてお話させていただきましたが、いかがだったでしょうか?

話をまとめますと、下記のようになります。

  • 売主の仲介手数料が無料の理由は、買主から仲介手数料を受け取るから。
  • 買主から仲介手数料を受け取るには、仲介会社は「両手」のみを目指すことになる。
  • 「両手」を目指した売却活動は、売主にとって広告の範囲が狭まり、機会損失、不利益になる。
  • 仲介手数料が無料でも、早く高く売れ難くなるため、結局は損することになりがち。
  • 仲介手数料を支払ってでも、売主の立場に立って動いてくれる、信頼のおける仲介会社を選んだ方が、結果的には得することになる。

資産家資産家

色々教えてくれてありがとう!

また分からないことがあれば、教えてね。