マンションを売却する予定だけど、「仲介」ではなく「買取」で売却するのって、どうなのかしら?
買取の仕組みや、メリット・デメリットを把握しておきたいわ。
そうだ、佐藤さんに聞いてみよう!
こんにちは。マンション売却アドバイザーの佐藤です。
不動産を売却する方法は、「仲介」と「買取」の2種類があります。
「仲介」は、不動産会社に売却活動をしてもらい、買主を見つけて売却する方法です。
もっとも一般的な売却方法であり、相場の価格で売却することができます。
一方、「買取り」は、不動産会社や買取業者に、直接、買取りしてもらう方法です。
「安くてもいい、誰にも知られたくない、早く売却したい」という方に、向いています。
この他にも、買取には複数のメリットがありますが、ただ、買取価格が相場よりも安いというデメリットがありますので、十分に検討する必要があります。
そこで、今回は、マンション売却における買取の仕組みやメリット・デメリットについて、お話させていただきます。
1.買取の仕組み
先ほどもお話したように、買取は業者が直接買取するわけですが、自社で買取したマンションを使うわけではありません。
全面リフォームなどをして付加価値を付けて、再販して利益を得ることを目的に、買取を行います。
そのため、相場よりも安い価格で買取しなければ、利益を得るという目的を達成できないことになります。
その理由から、買取価格は相場よりも安くなります。
なるほどね、業者は買取りしたマンションを再販して、利益を得るんだね。
そうなると、買取価格は、いくらになるのかしら?
随分と安くなりそうな気がするわ。
1-1.買取価格の相場は?
買取価格の相場は、市場価格の6~7割程になることが多いです。
もし、市場価格が2,000万円だとしたら、買取価格は、1,200~1,400万円程が目安となります。
買取価格の決め方は、業者が市場で2,000万円で売却できそうだと思ったら、その価格から
- リフォーム費用
- 売却するための諸費用
- 利益
- 転売したときの税金
などを差し引いて、買取価格が割り出されます。
もちろん、室内の状態によっても、買取価格が変わることがあります。
室内が傷んでおり、リフォーム費用がかさむ場合は、その分、買取価格が安くなります。
逆に、もし、人気があるエリアのマンションなどの場合は、買取価格が相場の75%程になるなど、少し高くなることはあります。
買取価格は、市場価格の6~7割程になるんだね。
思ってたよりも安くてビックリだわ。
不動産屋さんのサイトを見ていると、買取保証って言葉が出てくるんだけど、これはどういう意味かしら?
1-2.買取には、買取保証と即時買取の2つがある。
買取には2種類があり、「買取保証」と「即時買取」があります。
「現金を受け取るまで、時間に余裕があるかどうか」を基準に、どちらを選ぶかを考えるといいと思います。
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
1-2-1.買取保証とは?
買取保証とは、不動産会社が一定期間だけ売却活動をして、買主が見つからず成約に至らなかった場合は、予め約束していた価格で、不動産会社が買取りする方法です。
時間に余裕がある方は、買取保証の方が、即時買取よりも高く売却することができます。
1-2-2.即時買取とは?
即時買取とは、売却活動を一切行わずに、買取業者が即時、買取することをいいます。
短期間で売却する場合や、期日までに売却する場合などは、即時買取が向いています。
ただ、買取保証と比べて、買取価格が安くなる傾向になります。
なるほど~、そのような違いがあるんだね。
時間に余裕があるかどうかで、どちらかを選んだらいいってことね。
買取してもらう場合は、諸費用はかかるのかしら?
1-3.買取をした場合の諸費用
「買取」の場合も「仲介」と同じように諸費用がかかりますが、「仲介」よりも安くなります。
主に、下記の諸費用があります。
- 売買契約書の印紙代
- 抵当権抹消登記費用(抵当権がある場合)
- 譲渡所得税(売却益がある場合)
例えば、3,000万円で購入したマンション(マイホームやセカンドハウス)を、2,000万円で売却した場合は、下記の通りになります。
- 売買契約書の印紙代:10,000円
- 抵当権抹消登記費用:1.5~2万円
- 譲渡所得税:0円
抵当権抹消登記費用は、マンションに住宅ローンの残債がある場合に必要になります。
また、譲渡所得税とは、マンションを取得した価格よりも高く売却できた場合に、その利益分に対して所得税と住民税が課せられることを言います。
マイホームやセカンドハウスを売却した場合は、3,000万円の特別控除があるため、税金が課せられないケースが多いです。
仲介と比べると、仲介手数料(66万円税別)が無い分、諸費用は安くなります。
業者が直接買取りするから、仲介手数料がかからないんだね。
買取のメリットとデメリットを教えてくれるかしら?
2.買取のメリット・デメリット
「買取」と「仲介」を比較した場合、買取には複数のメリットと、一つのデメリットがあります。
まずは、メリットの方から見ていきましょう。
- 短期間で売却することができる。
- 他人に知られずに売却することができる。
- 資金計画が立てやすい。
- 瑕疵担保責任が免除になる。
- 仲介手数料がかからない。
- 売るためのリフォームをしなくていい。
では、順番に詳しくお話ししますね。
2-1.買取のメリット
2-1-1.短期間で売却することができる。
買取の最大のメリットは、短期間で売却できるということです。
買取りは、すでに業者が買取りますので、「仲介」よりも短期間で売却することが可能です。
数日以内に現金が必要な場合は、買取を選んだ方がいいでしょう。
「仲介」は、売却活動をして買主を募集するため、時間がかかります。
価格を下げて早期売却が出来たとしても、買主の住宅ローンの手続きの関係から、現金を受け取るのが遅くなります。
一般的には、売却活動開始から3ヶ月前後が目安となります。
2-1-2.他人に知られずに売却することができる。
「仲介」は、買主を見つけるために売却活動を行いますので、友人や知人、近所の方々に売却することを知られてしまいます。
それに対して「買取」は、すでに業者に売却することが決まっていますので、売却活動をする必要が無いため、人に知られることがありません。
2-1-4.瑕疵担保責任が免除になる。
瑕疵担保責任とは、売却後に雨漏りや給排水設備の故障など、目に見えない部分の不具合があった場合、売主が修理費用を負担するなどの責任を負わなければならないことを言います。
売買契約書に期限を定めることが一般的で、引き渡しから2~3ヶ月とすることが多いです。
それに対して買取では、不動産のプロである業者が買取しますので、宅建業法の規定により、瑕疵担保責任が免除されます。
2-1-5.仲介手数料がかからない。
「仲介」は、不動産会社が仲介しますので、仲介手数料が発生します。
それに対して買取は、不動産会社が直接買い取りますので、仲介手数料がかからないことが多いです。
2-1-6.売るためのリフォームをしなくていい。
「仲介」では、室内の痛みがひどければ、リフォームをして売りに出すことを検討するケースがあります。
それに対して買取は、買い取った業者がリフォームをしますので、売主はリフォームをする必要がありません。
2-1-3.資金計画が立てやすい。
「仲介」は、売却価格を決めて売却活動をしたとしても、売れなかったら価格を下げるなどの必要性があります。
また、購入希望者から価格を交渉されることがあります。
売買契約を締結するまでは、いくらで売却できるのかは、はっきりと分かりません。
それに対して「買取」は、業者に提示された価格を検討して売却しますので、今後の資金計画がたてやすくなります。
2-2.買取のデメリット
買取のデメリットは、売却価格が相場の6~7割前後になることです。
買取り業者は、リフォームをして再販することで利益を得ますから、逆算すると相場の6~7割になってしまいます。
時間に余裕のある方は、買取保証、もしくは相場よりも安い価格で仲介で売却した方が、高く売れます。
買取にはいくつかのメリットがあるけど、価格が安くなるという最大のデメリットがあるんだね。
3.買取の流れ
では、実際に買取をした場合の流れを見ていきましょう。
3-1.査定の依頼をする。
まずは、買い取り業者に査定をしてもらいます。
実際に室内を見ての判断となります。
3-2.買取り価格を提示してもらう。
仲介は売却できそうな価格が提示されるのに対して、買取価格は、実際に売却する価格になります。
したがって、複数の業者に査定を依頼した方がいいでしょう。
3-3.買取り業者を決める。
3-4.売却のスケジュールを打ち合わせする。
売買契約に向けて、必要書類を整えたります。
3-5.売買契約を締結する。
3-6.残金決済・物件引き渡し
現金を受けとって、マンションを引き渡します。
まとめ
今回は、マンション売却における買取についてお話させていただきましたが、いかがだったでしょうか?
色々教えてくれてありがとう!
また分からないことがあれば、教えてね。