マンションを売りたいけど、色々と事情があって、近所の方には内緒にしたいと思っているの。
そんなことってできるのかしら?
そうだ、佐藤さんに聞いてみよう!
こんにちは。マンション売却アドバイザーの佐藤です。
不動産の仕事をしていると、「近所に内緒で売却したい」と希望される方は、意外と多いですよ!
何かしらの事情があったりだとか、「余計な詮索をされたくない」という方もいらっしゃいます。
結論からになりますが、近所に内緒で売却することは可能です。
不動産会社の協力のもと、売却活動に制限をかけたり、行動を気を付けることによって、実現できます。
ただ、100%保証できるわけではありません。
どうしても内緒にしたい場合は、不動産会社に買取してもらうことになります。
今回は、近所に内緒で売却する方法について、お話しさせていただきます。
1.近所に内緒で売却するには
近所に内緒で売却するには、主に下記の行動をとる必要があります。
- 協力してくれる不動産会社を選ぶ。
- オープンハウスはしない。
- チラシの配布を検討する。
- インターネットへの掲載を検討する。
- レインズへの登録を検討する。
- 来店した顧客のみに紹介する。
- インターホンで不動産会社名を名乗らせない。
では、順番に詳しく見ていきましょう。
1-1.協力してくれる不動産会社を選ぶ。
まずは、近所に内緒で売却することに対して、協力してくれる不動産会社を選びます。
多くの不動産会社は対応すると思いますが、売却活動を制限することで売れにくくなるため、なかには拒否する不動産会社もいるかもしれません。
また、そのような不動産会社は、「近所に内緒なんて無理ですよ!広く売却活動をした方がいいですよ!」とのようなことを言ってくるかもしれません。
そのような不動産会社は、こちらから拒否することをおススメします。
なぜなら、近所に内緒にする努力はできますし、そもそも、売主の要望に答えてくれる不動産会社が好ましいからです。
1-1-2.媒介契約は専任媒介か専属専任媒介を選ぶ。
対応する不動産会社が見つかりましたら、媒介契約を締結する必要があります。
媒介契約には、下記の3種類があります。
- 一般媒介契約
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
大きな違いは、一般媒介は複数の不動産会社と契約できるのに対して、専任媒介と専属専任媒介は1社のみになります。
連絡窓口は一本化した方が良いため、専任媒介か専属専任媒介を選んだ方が良いでしょう。
1-2.オープンハウスはしない。
オープンハウスとは、土日祝日などに室内を公開して、自由に見学ができるようにする売却活動です。
これは言うまでもありませんが、近所の方へは100%の確率で知られてしまいます。
1-3.チラシの配布を検討する。
チラシを配布する地域を制限することで、近所に売却することを知られにくくなります。
では、どのように制限をするのか。
不動産のチラシには、主に下記の2種類があります。
- 新聞折り込みチラシ
- ポスティングチラシ
新聞折り込みチラシは、配布する地域をある程度なら指定することができますが、「この町内には配布しない」などの細かい指定ができません。
少々離れた地域に配布してもいいのですが、不動産は近隣の方が購入する確率が高いため、効果は薄いと思います。
一方、ポスティングチラシは細かい地域を指定することができます。
ポスティングチラシは、営業マンが自ら印刷して、手配りすることが多いです。
したがって、「売却物件から半径300メートルは配らない」などのルールを決めておけば、その通りにすることができます。
ただ、「チラシを見た人が近所の方に教える」といったリスクを避けることはできません。
1-4.インターネットへの掲載を検討する。
できることなら、インターネット(不動産会社のホームページや、アットホーム、SUUMOなどの不動産ポータルサイト)への掲載はしたいところではあります。
なぜなら、現在はインターネットによる反響がほとんどであり、売れやすくなるからです。
チラシの方は、不動産に興味が「有る人」「無い人」関係なく見ることになりますが、インターネットは、興味がある人のみが検索して見に来ます。
そのため、チラシと比べると、近所の方には知られにくくなります。
ただ、チラシと同様、「インターネットを見た人が近所の方に教える」といったリスクを避けることはできません。
1-5.レインズへの登録を検討する。
もっと近所の知られるリスクを減らしたい場合は、レインズのみ登録するという手もあります。
レインズとは、指定流通機構の会員である不動産会社のみが見ることのできるオンライン・システム(サイトのようなもの)です。
不動産会社がレインズに登録することによって、他社の不動産会社も物件情報を見ることができ、お客様に紹介できるようになります。
チラシやインターネットに掲載しなくても、それぞれの不動産会社がかかえている顧客に紹介できますので、近所へ知られるリスクが減ります。
※レインズへの登録方法によっては、不動産ジャパンというサイトに公開されることがありますので、売買の経験が豊富な不動産会社に依頼しましょう。
1-6.来店した顧客のみに紹介する。
もっともっと近所の方に知られるリスクを減らしたい場合は、売却を依頼した不動産会社が、顧客や来店したお客様のみへ紹介することもできます。
この場合、不動産会社は、顧客情報や来店数の多い大手企業に依頼した方がいいでしょう。
1-7.インターホンで不動産会社名を名乗らせない。
これは注意点になりますが、不動産営業マンが、査定や打ち合わせ、内覧などの理由で、自宅に訪問することがあります。
その際、オートロックや玄関先のインターホンで、「〇〇不動産です」と名乗らないようにお願いしておくことも大切です。
もし、近所の方が近くにいたとなれば、「あれ?なぜ不動産会社の方が訪問したのかしら?もしかして売却するの?」と思うかもしれません。
不動産会社名は名乗らずに、個人名を名乗るようにするなどの打ち合わせをしておきましょう。
2.どうしても知られたくない場合
上記で紹介した行動をとったとしても、近所の方に100%内緒にできるわけではありません。
どうしても知られたくない場合は、不動産会社などの買取業者に、買取をしてもらう方法があります。
ただ、買取業者は、買取したマンションを再販して利益を得ることを目的に買い取りますので、買取価格は低くなります。
おおよそ、相場の6~7割り程度が目安になります。
※買取に関して詳しくは、下記のページを参照ください。
https://mansion-kyokasho.com/archives/2784
3.近所に内緒にするとなれば、売れにくくなる。
今まで近所に内緒で売る方法をお話してきましたが、一つ重要なことを言っておきたいことがあります。
それは、売却活動を制限すればするほど、売れにくくなるということです。
不動産を売る場合は、物件情報をより多くの方に紹介し、内覧していただくことで、成約までの期間が早くなります。
内緒で売る場合は、お客様に紹介する機会が減りますから、その分、売却するまでに時間がかかるケースがあります。
まとめ
今回は、マンションを近所に内緒で売る方法についてお話させていただきましたが、いかがだったでしょうか?
最後に重要な点をまとめますと、近所に内緒で売るには、下記の行動からどれかを選ぶことになります。
- 協力してくれる不動産会社を選ぶ。
- オープンハウスはしない。
- チラシの配布を検討する。
- インターネットへの掲載を検討する。
- レインズへの登録を検討する。
- 来店した顧客のみに紹介する。
- インターホンで不動産会社名を名乗らせない。
ただ、これらは100%内緒にできるわけではありません。
どうしても知られたくない場合は、買取りしてもらうことになるでしょう。
色々教えてくれてありがとう!
また分からないことがあれば、教えてね。