マンションの住み替えは売り先行と購い先行、どっちがいい?

資産家資産家

マンションを住み替えたいけど、先に売った方が良いのかしら?それとも買った方がいいのかしら?

費用をかけずにタイミングよく引っ越したいけど、そんなことできるのかしら?

そうだ、佐藤さんに聞いてみよう!

マンション売却アドバイザーマンション売却アドバイザー

こんにちは。マンション売却アドバイザーの佐藤です。

今住んでいるマンションを住み替える場合、「売り」を先行するのか、それとも「買い」を先行するのか、悩むことろですよね。

売却理由で一番多いのは住み替えですから、「売り先行?購い先行?」との質問をよくいただいておりました。

結論からになりますが、どちらともメリット・デメリットがありますので、一概にどちらがいいとは言い切れません。

また、売主の金銭的な状況、例えば、

「住宅ローンの残りがいくらあるのか」
「自己資金はいくらあるのか」
「新住居の住宅ローンは組めるのか」

によっても大きく変わってきます。

そこで、今回は、売り先行と購い先行のメリット・デメリットを紹介するとともに、私が思うベストな方法もお話させていただきます。

あなたにとってどの方法が良いのか、選ぶことができれば幸いです。

1.売り先行のメリット・デメリット

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まずは、売り先行からお話しさせていただきます。

売り先行の場合は、下記の手順のように進めていくことになります。

  1. 買主を見つけて、売却の契約をする。
  2. 引き渡しまでの間に、新住居を見つけて購入の契約をする。
  3. 現住居を引き渡すのと同時に、新住居の引き渡しを受ける。

これ以外にも、買主と売買契約をしたあとに、仮住まいとして賃貸住宅に引っ越してから、新住居を探すといったケースもあります。

では、売り先行のメリットとデメリットを見ていきましょう。

1-1.メリット

売り先行のメリットは、主に下記の2つがあります。

  • 資金計画が立てやすい。
  • 購い先行よりも高く売れやすい。

では、順番に詳しく見ていきましょう。

1-1-1.資金計画が立てやすい。

売り先行の場合は、まず、買主と売買契約をしますので、売却価格がはっきりとします。

そのため、新住居を購入するための資金計画が立てやすくなります。

例えば、残債(住宅ローンの残り)がない不動産を売却したケースを見てみましょう。

売却代金を新住居の購入に充てることができます。

現住所に残債がある場合

売却代金もしくは手持ちの現金で一括返済しなければ、売却することができません。

また、残債よりも売却代金が低い場合は、その分、手持ちの現金を手出しする必要があります。

例えば、下記の物件があったとしましょう。

  • 残債:2,500万円
  • 売却代金:2,000万円
  • 売却の諸費用:100万円

この場合は「2,500万円-2,000万円-100万円=600万円」となり、600万円を現金で手出しすることになります。

このように、売り先行の場合は、先に売却価格や手出し額などが分かりますので、新住居の資金計画が立てやすくなります。

1-1-2.購い先行よりも高く売れやすい。

ここでは、新住居を購入するために、現住居の売却代金が必要なケースを前提にお話しします。

この場合は、売り先行の方が購い先行よりも、高く売れやすくなります。

なぜなら、新住居を先に購入した場合、現住居を期日までに売却しなければならないからです。

そのため、売れなければ焦りが出て、価格をどんどん下げてしまいます。

一方、売り先行の場合は「いつまでに売却する」といった期日がありません。

したがって、焦ることなく売却活動ができるため、高く売れやすくなります。

1-2.デメリット

売り先行のデメリットは、下記の3つがあります。

  • 引き渡しが遅くなるほど、買主が嫌がる。
  • 新住居を妥協しがちになる。
  • 新住居が見つからなければ、仮住まいに移る可能性がある。

では、順番に詳しく見ていきましょう。

1-2-1.引き渡しが遅くなるほど、買主が嫌がる。

売り先行の場合は、現住居の引き渡し日までに、新住居を見つけて引っ越さなければなりません。

もし、引き渡しができない場合は、基本的には契約違反となり、違約金が発生することになります。

そのため、売主としては予め、引き渡し日を余裕を持って定めたいところです。

しかし、買主としては「早く引き渡して欲しい」と思っている方が多く、引き渡し日が遅くなればなるほど嫌がります。

一般的には、売買契約締結日から3~6ヵ月後で定めることが多く、このぐらいであれば問題ないでしょいう。

しかし、それ以上になればなるほど買主は嫌がりますので、物件が売れにくくなります。

また、現住居の引き渡しと同時に、新住居へ引っ越す場合は、「引き渡し猶予」の特約をつけることになります。

この引き渡し猶予も、買主が嫌がる方が多いです。

※引き渡し猶予については、下記のページを参照ください。

https://mansion-kyokasho.com/archives/2527

ちなみに、引き渡し日が遅くなればなるほど、不動産会社も嫌がります。

なぜなら、仲介手数料を受け取ることができないからです。出来ないからです。

1-2-2.新住居を妥協しがちになる。

先ほども言いましたが、売り先行では、現住居の引き渡し日までに、新住居に引っ越さないといけません。

そのため、焦ってしまい、新住居を妥協して購入してしまいがちになります。

例えば、新築を見つけたとしても、建築時期が合わなければ、見送りしなければなりません。

賃貸に住むのならまだしも、購入するとなると妥協はしたくないところですよね。

2.購い先行のメリット・デメリット

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購い先行の場合は、下記の手順のように進めていくことになります。

  1. 新住居の購入の契約をする。
  2. 現住居の買主を探して、売却の契約をする。
  3. 新住居の引き渡しと同時に、現住居を引き渡す。

上記は、新住居の購入するために、現住居の売却代金を充てる必要があるケースです。

では、メリットとデメリットを見ていきましょう。

2-1.メリット

購い先行のメリットは、主に下記の1つがあります。

  • 新住居をじっくりと選ぶことができる。

売り選考の場合は、引き渡し日までに新住居を見つけないといけないため、物件探しに時間的な余裕がなく、焦りが出てきます。

それに対して、購い先行の場合は、物件探しに時間的な縛りがないため、じっくりと選ぶことができます。

2-2.デメリット

購い先行のデメリットは、下記の3つがあります。

  • 2重ローンになるケースがある。
  • 旧住居の売却価格が低くなるケースがある。
  • 売却できなかった場合は、かなりのリスクがある。

では、順番に詳しく見ていきましょう。

2-2-1.「2重ローン」になる可能性がある。

新住居を住宅ローンで購入して、旧住居(残債あり)が売却できなかった場合、2つの住宅ローンを同時に支払うことになります。

つまり、2重ローンになりますので、毎月の返済が大変になります。

ただ、これは資金的余裕のある方の話であり、資金的余裕のない方は、そもそも2重ローンは組めません。

金融機関から「新住居の住宅ローンを組むには、旧住居を売却することが条件」と言われることが多いです。

2-2-2.旧住居の売却価格が低くなるケースがある。

新住居を購入するために、旧住居を売却しなければならない場合、新住居の引き渡しまでに、旧住所を売却しなければなりません。

期日までに売却しなければならないため、売却価格が低くなる傾向なります。

2-2-3.売却できない場合は、かなりのリスクがある。

新住居を購入するために、旧住居を売却しなければならない場合、新住居の引き渡しまでに、旧住所を売却しなければなりません。

旧住居が売却できなかったために新住居の決済ができない場合は、基本的には契約違反となり違約金が発生します。

ただ、まれなケースではありますが、買い替え特約がある場合は、話が別になります。

買い替え特約とは?

買い替え特約とは、新住居を購入する契約はしたが、旧住居が売却できなければ、契約を白紙に戻す特約のことを言います。

買主には非常にメリットのある契約ですが、売主にはデメリットでしかありません。

買主の旧住居が売れるのをずっと待ったにもかかわらず、結局売れずに契約が白紙に戻されたら、たまったもんじゃないですよね。

このような買主には売りたくないし、価格交渉があったとしても応じたくないでしょう。

なかには買い替え特約を受け入れる売主もいますが、実際はお断りする売主の方が多いです。

買主が見つからなければ、最終的に買取業者に買取してもらうか、新住居の契約を白紙にすることになります。

買取の場合は、相場~7割り程度になりますので、安く売ることになります。

※買取については、下記の記事を参照ください。

https://mansion-kyokasho.com/archives/2784

このような理由もあって、売れにくい物件は購入選考ではなく、売り先行の方が好ましくなります。

住み替えローンとは?

住み替えローンとは、旧住居の残債を、新住居の住宅ローンに上乗せして支払っていくことをいいます。

もし、不動産の売却価格が残債よりも低くなる場合は、その差額を支払わなければ売却することができません。

例として、下記の物件を売却したとしましょう。

  • 残債:2,500万円
  • 売却価格:2,100万円
  • 売却するための諸費用:100万円

この場合、「2,500万円-2,100万円-100万円=500万円」が不足することになります。

住み替えローンでは、この不足分の500万円を、新住居の住宅ローンに上乗せすることができるのです。

ただ、ローンの審査は厳しくなります。

住み替えローンを希望する場合は、事前に現在住宅ローンを借りている金融機関に相談しましょう。

3.ベストな方法

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住み替えで売り先行か購い先行かは賛否両論ありますが、私がベストだと思う方法があります。

それは、下記のとおりです。

  1. まずは売却をする。
  2. そして、仮住まいとして賃貸に引っ越しする。
  3. それから、新住居を探して、購入する。

なぜなら、仮住まいとして賃貸に引っ越すことにって、下記のメリットがあるからです。

  • 旧住居を高く売却しやすくなる。
  • 新住居をじっくりと探すことができる。

不動産の売買で失敗しないコツは、焦らないことです。

賃貸にすれば、不安が大幅に減ります。

理想的なのは、同時期に売却と購入ができることですが、実際はなかなか難しいものです。

仮住まいとして賃貸住宅を契約するとなれば、諸費用が掛かります。

売却と購入のリスクを負うことにより、結局は損するかもしれません。

まとめ

マンション売却アドバイザーマンション売却アドバイザー

今回は、住み替えをする場合、売り先行か購い先行かについてお話させていただきましたが、いかがだったでしょうか?

資産家資産家

色々教えてくれてありがとう!

また分からないことがあれば、教えてね。