友達が、「マンションを売るときは、不動産屋の囲い込みには注意した方がいい。」って言ってたけど、囲い込みって何なのかしら?
なんだか、悪い予感がするわ。
そうだ、佐藤さんに聞いてみよう!
こんにちは。マンション売却アドバイザーの佐藤です。
囲い込みは、売主に機会損失を与える、不動産業者の違法行為になります。
不動産業界では、業者同士が物件を紹介し合える仕組みになっています。
しかし、わざと紹介できないように働きかけ、自社だけ儲けようとする業者がいます。
この行為を、囲い込みといいます。
えっ!そんなことをする不動産屋さんがいるの?
それだと、売主としては、なかなか売れないことになるわよね?
はい、囲い込みは売主にとって機会損失となる、とんでもない行為になります。
しかし、残念なことに不動産業界では、よくある話なのです。
特に、自社の利益を追求する大手不動産会社に、多い傾向にあります。
今回は、囲い込みをされて機会損失にならないように、囲い込みについて、お話させていただきます。
囲い込みは、大手不動産会社に多いんだね、意外だわ。
機会損失にならないように、色々と教えてくださいな。
1.専任媒介と専属専任媒介は要注意!
マンションを売却する場合は、不動産業者と媒介契約を結びますが、媒介契約には、以下の3種類があります。
- 一般媒介契約
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
主な特徴としては、一般媒介は複数の不動産業者に依頼することができますが、それに対して、専任媒介と専属専任媒介は1社のみにしか依頼することができません。
囲い込みは、この専任媒介と、専属専任媒介の場合に起こります。
そっか、一般媒介は複数の不動産屋さんに依頼できるから、1社で囲い込むことができないね。
専任媒介と、専属専任媒介は1社にしか依頼できないから、注意が必要ね。
2.なぜ、囲い込みをするのか。
不動産業者が囲い込みをする理由はただ一つ、自社が儲けるためです。
先ほども言いましたが、専任媒介と、専属専任媒介は、1社のみにしか依頼することができません。
なので、不動産業者としては、一般媒介のように、他の不動産業者に先を越されて売買契約をされることはありません。
不動産業者は、売買契約さえ成立させれば、売主からの仲介手数料をいただくことができますから、専任媒介、もしくは専属専任媒介で依頼を受ければ、ひとまずは安心なわけです。
言い換えると、売主からの仲介手数料を確保したようなものです。
なるほどね~。
だから不動産屋さんは、専任媒介・専属専任媒介を進めてくるのね。
さらに、自社で買主を見つければ、買主からも仲介手数料を受け取ることができます。
一つの売買契約で、売主と買主の両方から、仲介手数料を受け取ることができれば、非常に効率のいい仕事になります。
だから、他の不動産業者が紹介できないように、働きかけるわけです。
自社の利益を優先して、売主のことは二の次って事ね。
やめて欲しいわ~、そんなこと。
ところで、囲い込みって、具体的にどのようにするのかしら?
3.囲い込みの方法
囲い込みを、より理解するために、まずは、指定流通機構(レインズ)のお話jをさせて頂きます。
専任媒介・専属専任媒介は、物件情報をレインズに登録する義務があります。
指定流通機構(レインズ)とは、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営している、コンピュータ・ネットワーク・システムです。
レインズの会員である不動産業者のみが閲覧することのできる、情報サイトのようなものです。
レインズに登録することによって、全国の不動産業者が情報を共有することができ、買主を早く見つけることができます。
不動産業界は、売主が早く売却できるような、仕組み作りがされているのね。
でも、レインズに登録する義務があるのなら、他の不動産業者も閲覧することができるから、囲い込むことができないんじゃないの?
3-1.「商談中」などと嘘をついて、紹介させない。
他の不動産業者(買付業者)が、レインズで物件情報を見て、お客さんに紹介したいと思ったとします。
そして、不動産業者(元付業者)に「紹介していいですか?」との確認を取ります。
本来であれば、商談中や契約予定などでなければ、応じなければいけません。
しかし、商談中や契約予定ではないにもかかわらず、「商談中、もしくは契約する予定だから紹介できない」などの嘘をついて、紹介させません。
でも、実際は自社のWEBサイトに掲載していたり、新聞折り込みチラシに掲載したりと、売却活動を行っていたりします。
これが、囲い込みの中で、もっとも行われている手法です。
そんなことをする不動産屋さんがいるんだね。
本当に、売主のことは二の次なのね。
3-2.レインズ登録後に削除して、紹介できないようにする。
先ほども言いましたが、専任媒介、もしくは専属専任媒介で依頼を受けた不動産業者は、レインズに登録することが、義務付けられています。
そして、登録後に、レインズから発行される登録証明書を売り主に渡して、登録したことを証明します。
囲い込みをする業者は、一度は登録して、売り主に登録証明書を渡します。
しかし、その後、すぐに登録を削除したりします。
ただ、2016年1月より、売主もレインズをみることができるようになりました。
現在、WEBサイトに「売却依頼主用の物件確認画面」が設けられ、登録証明書に記載されている「確認用ID」と「確認用パスワード」を入力すれば、自分の物件について、登録情報を確認することができます。
囲い込み防止の対策がとられているんだね。
この手法については、回避できそうね。
3-3.一般媒介で契約して、念書をかかせる業者もいる。
この手口は、囲い込みに付いて調べているときに知りました。
ここまでする業者もいるそうなので、注意が必要です。
媒介契約には3種類ありますが、一般媒介契約だけが、レインズへの登録義務がありません。
それを悪用するために、一先ずは、一般媒介契約を結びます。
しかし、一般媒介は他社にも依頼ができるため、囲い込みが出来ません。
そこで、他社に依頼しないように、念書を作成してサインをさせるそうです。
行動が不自然すぎますが、ここまでする不動産業者もいるそうなので、注意が必要です。
結構、強引なやり方ね。
不自然なことをする不動産業者には、要注意ね。
4.○○の不動産会社は、囲い込みをする傾向にある。
囲い込みは、購入見込み客を多く抱えた不動産会社や、集客力の強い不動産会社がする傾向にあります。
つまり、大手不動産業者に多いのです。
それに対して、地域密着型の小さな不動産業者などは、業者同士の横のつながりを大切にしてるため、囲い込みをすれば業者間で信頼を失うことになります。
そのため、大手不動産業者と比較すると、囲い込みは少ない傾向にあります。
しかし、だからといって、小さな不動産会社は囲い込みをしないかと言うと、決してそうではありません。
どの不動産業者でも、注意はした方がいいでしょう。
中小企業よりも、大手企業の方が、囲い込みをする傾向にあるんだね。
ところで、囲い込みを回避する方法って、あるのかしら?
5.囲い込みを回避する方法
囲い込みを回避する一番いい方法は、一般媒介で契約をすることです。
一般媒介は、複数の不動産業者に依頼することができますので、1社に囲い込まれることがありません。
ただ、一般媒介にはメリットもあればデメリットもあります。
また、不動産の売却が初めての方は、専任媒介がおすすめです。
その理由については、下記の記事を参考にしてください。
囲い込みの話を聞いてしまったからには、きちんとした不動産屋さんを選ばないといけないね。
6.囲い込みが問題視され、対策がとられている。
最近では囲い込みが問題視され、少しづつ対策がとられていっています。
レインズは地域によって分かれており、下記の4つがあります。
- 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)
- 中部圏不動産流通機構(中部レインズ)
- 近畿圏不動産流通機構(近畿レインズ)
- 西日本不動産流通機構(西日本レインズ)
このうち、東日本不動産流通機構(東日本レインズ)では、利用規程を改訂し、「登録物件の正当な事由のない紹介拒否行為の禁止」(囲い込みの禁止)を明文化し、2013年10月1日に施行しました。
そして、中部圏不動産流通機構(中部レインズ)、近畿圏不動産流通機構(近畿レインズ)、西日本不動産流通機構(西日本レインズ)における規程の改定も2014年5月までに出揃いました。
だが、証拠がなければ取り締まりも容易ではないところではあります。
まとめ
今回は、囲い込みに付いてお話させていただきましたが、いかがだったでしょうか?
もう、不動産業者のことを、信用できないのではないでしょうか?笑
囲い込みは、売主に機会損失を与える、不動産業者の違法行為になります。
専任媒介・専属専任媒介を選ぶ際は、不動産業者選びに慎重になってくださいね。
色々教えてくれてありがとう!
また分からないことがあれば、教えてね。