
住み替えを考えているんだけど、先に新居を購入してから、今住んでいるマンションを売却したいの。
だけど、今住んでいるマンションは住宅ローンが残っているから、ダブルローンを組むことになる…。
この先、支払っていけるか不安だし、何か良い方法はないかしら?
そうだ、佐藤さんに聞いてみよう!

こんにちは。マンション売却アドバイザーの佐藤です。
ダブルローンとなると、住宅ローンの返済だけでなく、固定資産税や、マンションであれば管理費・修繕積立金も2重になりますから、支払っていけるか不安ですよね。
結論からになりますが、ダブルローンが不安な方は、ダブルローンにならないように住み替えすることをおススメします。
基本的に住み替え方法には、下記の3つがあります。
- 購入先行:先に新居を買って、後で旧居を売る。
- 売却先行:先に旧居を売って、後で新居を買う。
- 同時進行:「新居の購入」と「旧居の売却」を同時に行う。
ダブルローンになるのは購入先行で、ダブルローンにならないのは売却先行と同時進行です。
そこで今回は、
- ダブルローンのリスク
- ダブルローンにならないように住み替えする方法
について、お話させていただきます。
この話が終わるころには、住み替えの計画やイメージができるようになるでしょう。
1.ダブルローンのリスク

ダブルローンを組むことは、資金力があれば全く問題ありません。
しかし、資金力に不安がある方にとっては、リスクが伴います。
ダブルローンのデメリットは、主に下記の4つがあります。
- 審査が通りにくい。
- 支払いが大変。
- 旧居を安売りしがちになる。
- 売却できない可能性がある。
では、順番に詳しく見ていきましょう。
1-1.審査が通りにくい。
ダブルローンは、審査が非常に厳しくなりますから、高年収である必要があります。
では、審査はどのように行われているのか。
例として、下記の場合を見てみましょう。
- 旧居の住宅ローンの支払い ⇒ 毎月10万円
- 新居の住宅ローンの支払い ⇒ 毎月15万円
この場合、毎月の支払い額は下記の通りになります。
10万円+15万円=25万円
そして、年間の支払額は、下記の通りになります。
25万円×12ヵ月=300万円
銀行の返済比率が35%の場合は、下記の年収が必要になります。
240万円÷25%=960万円
単純計算にはなりますが、新居の毎月の支払いが15万円になる場合は、年収960万円以上なければならないことになります。
1-2.支払いが大変
ご存知の通り、ダブルローンは、下記の2つを同時に支払っていくことになります。
- 旧居の住宅ローン
- 新居の住宅ローン
それ以外にも、固定資産税や都市計画税、マンションであれば管理費や修繕積立金も2重で支払っていくことになります。
1-3.旧居を安売りしがちになる。
ダブルローンが始まると、支払いが大変になります。
そこで、「ダブルローンから解放されたい!」との理由で、旧居を一日でも早く売却したいと思われる方が多いです。
そのため、相場よりも安く売ってしまいがちになる傾向にあります。
1-4.売却できない可能性がある。
住宅ローンが残っている不動産を売却するには、残債を完済しなければなりません。
もし、残債額よりも、旧居の売却額が低くなる場合、つまり「残債>売却価格」になった場合は、現金を手出ししなければ、売却することができません。
下記の例を見てみましょう。
- 残債額:2,000万円
- 売却額:1,800万円
この場合、残債を完済するには、200万円が不足することになりますから、現金を手出ししなければなりません。
新居を購入する前には、この辺も含めて計画をしておくことが大切です。
以上、ダブルローンは資金力がある方にとっては問題ありませんが、資金力がない方にとっては、何かとリスクがありますので、注意しなければなりません。
では、次にダブルローンを使わない住み替え方法について、見ていきましょう。
2.ダブルローンを使わない住み替え方法
先ほどもお話ししましたが、住み替えには、下記の3つのパターンがあります。
- 購入先行:先に新居を買って、後で旧居を売る。
- 売却先行:先に旧居を売って、後で新居を買う。
- 同時進行:「新居の購入」と「旧居の売却」を同時に行う。
このなかで、ダブルローンを使わない方法は、売却先行と同時進行になります。
では、順番に詳しく見ていきましょう。
2-1.売却先行
売却先行は、下記の流れで行います。
- 旧居を売却する。
- 仮住まいとして賃貸住宅などに住む。
- 新居を探して購入する。
では、メリット・デメリットを見ていきましょう。
2-1-1.メリット
- あせらずに売却活動ができるため、高く売れる可能性が上がる。
- 先に売却することにって、資金計画が立てやすくなる。
同時進行の場合は、「いつまでに売却しなければならない」といった期限付きのケースがありますが、売却先行の場合は、そのような期限がありません。
あせることなく売却活動ができるため、戦略次第では相場より高く売れる可能性があります。
また、買主から価格交渉があったとしても、じっくりと検討することができます。
2-1-2.デメリット
- 仮住まいとして賃貸住宅を借りる場合は、費用が掛かる。
旧居を売ることが決まった後で、タイミングよく、新居を買うことができればいいのですが、なかなかそうはいかなかったりします。
したがって、仮住まいとして、一旦、賃貸住宅などに引っ越す必要があります。
賃貸住宅の契約金や、引っ越し費用がかかってきますが、同時進行に比べれば、リスクのない住み替え方法ではあります。
資金力に不安があり購入先行ができない場合は、売却先行がおススメです。
では、次に同時進行のパターンを見ていきましょう。
2-2.同時進行
同時進行は、新居の購入と、旧居の売却を同時に進めていくパターンです。
同時進行は、先に新居を買う契約をするのか、それとも、先に旧居を売る契約をするのかによって、違ってきます。
では、メリットとデメリットを見ていきましょう。
2-2-1.メリット
- 仮住まいに住む必要がない。
- 住み替えローンが使える。
旧居の引き渡すと同時に、新居の引き渡しを受けますので、仮住まいに住む必要がありません。
また、旧居を売却した際に「残債>売却価格」になった場合は、住み替えローンが組める可能性があります。
住み替えローンとは?
住み替えローンとは、旧居を売却した際に、残債よりも売却価格が低くなった場合、その不足分を新居の住宅ローンに上乗せすることができます。
例えば、残債が2,000万円、売却価格が1,800万円の場合、200万円が不足しています。
本来であれば、この200万円は手出ししなければなりませんが、新居の住宅ローンに上乗せすることができるのです。
例えば、新居の住宅ローンが3,000万円になる場合は、200万円を上乗せしますので、3,200万円を借りることになります。
住み替えローンを借りるには、あらかじめ不動産会社や金融機関に相談しておく必要があります。
2-2-2.デメリット
- 先に新居を買う契約をした場合、期日までに旧居を売却しなければならない。
- 先に旧居を売る契約をした場合、期日までに新居を購入しなければならない。
- 旧居の引き渡しと新居の引き渡しのタイミングを合わせるのが大変。
期限付きで新居の購入や旧居の売却を行わなければならないため、新居を妥協して購入したり、旧居を値下げして売却したりなどのリスクがあります。
なお、先に新居を買う契約をする場合は、買い替え特約を付けることでリスクが軽減されます。
買い替え特約とは?
買い替え特約とは、先に一戸建て購入の契約をして、もし期日までにマンションが売却できなければ、一戸建て購入の契約を白紙にできる特約です。
住み替える人にとっては都合のよい契約になりますが、一戸建ての売主にとってはリスクでしかありません。
一戸建ての売主が業者であれば融通がきいたりしますが、個人の場合は難しくなります。
そのため、売主が業者の物件を探さなければならないため、選択肢が狭まります。
まとめ

今回は、ダブルローンのメリット・デメリットや、ダブルローンにならない住み替え方法についてお話させていただきましたが、いかがだったでしょうか?

色々教えてくれてありがとう!
また分からないことがあれば、教えてね。