当ブログは、宅建士(元不動産営業マン・現不動産メディア運営者)が、マンションを相場よりも高く売る方法や、知っておきたい知識などを公開しているブログです。
マンションを売却することは、多くの方が一生のうちに一度か二度です。
さらには高額な取引ですから、失敗は許されないし、売却後に後悔したくないはずです。
しかし、初めてのことなので、下記のような不安があるかと思います。
- 「何から始めればいいのか分からない。」
- 「どこの不動産会社に依頼すればいいのか分からない。」
- 「いくらで売れるのか見当がつかない。」
マンションの売却を成功させるために大切なことは、売主の情報武装です。
業界経験者だから分かることですが、情報収集することなく不動産会社に依頼してしまえば、営業マンの言いなりになって、損して失敗する可能性があります。
しかし、残念なことに、マンションの売却に関する情報は少なく、本屋さんに行っても、購入に関する本は多いですが、売却に関する関する本は少ないのが現状です。
そこで、当ブログでは、マンション売却に関する最低限知っておきたい知識だけでなく、相場よりも高く売る方法についても執筆しています。
これからマンションを売却する方にとって、私の知識や経験がお役に立てれば幸いです。
1.マンション売却の基本的な流れ
マンションを売却する流れは、大きく分けると下記の7ステップになります。
- 住宅ローンが残っている方は残高を確認する。
- 相場を調べる。
- 査定を依頼する。
- 媒介契約を締結する。
- 売却活動を開始する。
- 購入希望者と価格交渉・その他の条件交渉をする。
- 売買契約を締結する。
- 決済・引き渡しを行う。
では、順番に説明していきます。
1-1.住宅ローンが残っている方は残高を確認する。
マンションを売却するには、住宅ローンを完済して抵当権を抹消することが条件ですから、まずは住宅ローンの確認しましょう。
確認する方法は、主に下記の3つがあります。
- 金融機関に問い合わせて確認する。
- 返済予定表で確認する。
- インターネットバンキングで確認する。
住宅ローンの残高は、金融機関の窓口に問い合わせすれば、教えてくれると思います。
また、住宅ローンを借りている方には、金融機関から「返済予定表」のような書類が送られていると思いますので、そこで確認することができるかもしれません。
その他、金融機関にインターネットバンキングのサービスがある場合は、そこでも確認することができると思います。
住宅ローンの残高が確認できましたら、次は相場を調べます。
1-2.相場を調べる。

マンションの売却は、本来は不動産会社に査定を依頼するところから始まりますが、その前に、あなたのマンションがいくらで売却できそうなのか、相場を調べて把握しておきましょう。
その理由は、不動産会社の査定額はあくまでも提案価格であって、最終的に売り出し価格を決めるのは売主だからです。
また、不動産会社から査定額の説明を受けた際に、理解を深めるためという理由もあります。
相場を調べる方法としては、主に下記の2つの方法があります。
- 過去の取引事例を調べる。
- 現在売り出し中の物件を調べる。
1-2-1.過去の取引事例を調べる方法
過去の取引事例を調べる方法としては、国土交通省の運営サイト「土地総合情報システム」にて、あなたと同じような条件のマンションが、実際に取引された価格を調べる事ができます。
注意点としては、実際に取引された物件の売却理由などの経緯が分からないため、「売り急いで安く売った」などの事情が分からないところです。
ただ、実際に取引された価格が掲載されているので、ぜひ参考にしてみて下さい。
1-2-2.現在売り出し中の物件を調べる方法
現在、売り出し中のマンションを調べる方法としては、不動産情報サイトのSUUMOやHOME’S、アットホームなどを利用して、検索すれば分かります。
売り出し中のマンションは、あなたのライバルになりますから、相場を調べて、あなたのマンションがいくらで売却できそうなのか、予測しておきましょう。
1-3.査定を依頼する。

不動産会社に査定を依頼して、査定額を割り出してもらいます。
査定を依頼するうえで一番重要なことは、複数の不動産会社に査定を依頼して、査定額・不動産会社・営業マンを比較することです。
なぜなら、査定額は不動産会社によって差がありますし、マンションを相場よりも高く売るためには、良い不動産会社・営業マンと出会えるかどうかが重要ポイントになるからです。
正直、良い不動産会社・営業マンが見つかれば、あとはサポートしてくれますので、マンションの売却は成功します。
不動産会社のなかには、自社に依頼してほしいがために、査定額をわざと高くする業者や、早く売却して売上を上げるために、査定額をわざと低くする業者がいますので、査定は必ず複数の不動産会社に依頼して比較し、何故その査定額になったのか根拠を聞くようにしてください。
1-3-1.不動産一括査定サービスを利用する。
複数の不動産会社に査定を依頼するには、無料の不動産一括査定サービスが便利です。
不動産一括査定サイトにて、簡単な不動産情報や個人情報を入力すれば、複数の不動産会社に一括査定を依頼することができます。
また、利用することで、下記のメリットも得ることができます。
- 基本的に悪徳不動産会社は排除されるため、あたる可能性が低くなる。
- 不動産会社どうしが競合するため、より良いサービスを受けることができる。
不動産一括査定サービスは何社かありますが、選ぶポイントは下記の2つです。
- あなたのマンションの地域に対応しているか。
- どのような特徴があるのか。
まず1つめのポイントが、あなたのマンションの地域に対応しているかどうかです。
不動産一括査定では、提携不動産会社に一括査定をする仕組みになっていますが、あなたの地域の不動産会社と提携していなければ、そもそも査定ができないからです。
そして2つめのポイントが、どのような特徴があるかです。
正直、どの不動産一括査定サービスも仕組みは一緒ですが、最近では差別化を図るために、不可サービスを付けているところが増えてきました。
では、ご紹介していきます。↓
すまいValue(すまいバリュー)
不動産一括査定サービスはいくつかありますが、東証一部上場企業のNTTデータが運営している「HOME4U(ホーム・フォー・ユー)」がおススメです。
なぜなら、主に下記の4つのメリットがあるからです。
- 東証一部上場のNTTデータが運営しているので安心。
- 厳選された不動産会社900社のなかから、最大6社に一括査定。
- 2001年からの運営実績のなかで、悪徳不動産会社は排除されている。
- 査定結果の連絡方法は「メール」「電話」から選択できる。
もちろん費用は無料なので、利用しない手はありません。
1-3-2.机上査定と訪問査定どっちを選ぶべき?
不動産一括査定サービスの入力フォームでは、机上査定(簡易査定)か訪問査定(実査定)かを選ぶようになっていますが、まずは机上査定を選ぶことをおススメしています。
机上査定と訪問査定の大きな違いは、不動産営業マンが物件を「見るか見ないか」です。
机上査定は物件を「見ない」のに対して、訪問査定は物件を「見る」です。
もちろん、より正確な査定額がでるのは、訪問査定です。
売却をする場合は、訪問査定を避けては通れませんが、最初から多くの不動産会社に訪問査定を依頼すると、その対応が大変になります。
したがって、まずは机上査定でより多くの不動産会社に査定依頼をし、査定結果を見て、そのなかから3社に絞り込み、次は訪問査定を依頼すると、効率が良く進めていけます。
査定についてもっと詳しくは、下記の記事を参照ください。
- マンション売却時の不動産会社の査定方法
- 査定は複数の不動産会社に依頼すべき理由
- マンションの査定は何社に依頼するべきなの?
- 机上査定と訪問査定の違いや、メリット・デメリット、選び方。
- マンションの査定をしてもらう際の必要書類
- マンションの売却を成功させるための不動産会社の選び方
- 高く売るために質の良い営業マンを見極める方法
- マンションの査定をした不動産会社の断り方
1-4.媒介契約を締結する。
マンションの売り出しを開始するためには、不動産会社と媒介契約という契約を締結します。
媒介契約には、下記の3種類があります。
- 一般媒介契約
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
一般媒介 | 専任媒介 | 専属専任媒介 | |
---|---|---|---|
他社への依頼 | ○ | × | × |
自己発見取引(※1) | ○ | ○ | × |
契約期間 | 制限なし | 3ヶ月以内 | 3ヶ月以内 |
売却活動の報告義務 | なし | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
指定流通機構への登録義務(※2) | なし | あり | あり |
- ※1 自己発見取引とは、自ら買主を見つけて、不動産会社を通さずに直接売ることです。家族や知人に売却することが、これに当てはまります。
- ※2 指定流通機構とは、会員である不動産会社が閲覧することのできる情報ネットワークのことで、別名をレインズと呼ばれています。物件情報を登録することにより、他の不動産業者も紹介ができるようになるため、買主を早く見つけやすくなります。
どの媒介契約を選んだらいいのかは賛否両論ですが、私の意見としては下記の通りです。
- 一般媒介が向いている方
- 複数の不動産会社に連絡を取り合える方
- 専任媒介が向いている方
- 複数の不動産会社に連絡を取り合いたくない方
- 本当に信頼できる不動産会社・営業マンが見つかった方
媒介契約にはそれぞれメリット・デメリットがありますので、詳しくは下記の記事を参照ください。
その他、媒介契約に関する記事は、下記を参照ください。
1-5.売却活動を開始する。
不動産会社と媒介契約を締結した後は、いよいよ売却活動を開始します。
詳しくは、下記の記事を参照ください。
- 内覧で好印象を与えるコツ!掃除や準備をしよう!
- マンション売却時は費用をかけてリフォームするべきなの?
- マンション売るとき、基本、壁紙を張り替えない方がいい3つの理由
- エアコン付き・照明付きの方が売れやすい?
- マンションを売却するとき、ハウスクリーニングは必要なの?
- フローリングの傷は補修した方がいいの?
- 居住中と空き家ではどっちが売れやすい?
- マンションを売却する為にかかる広告費は、誰が支払うの?
1-5-1.売れない場合
もし、売却活動をしても売れない場合は、改善を試みましょう。
値下げをする場合は、やるべきことをすべてやってからにしてください。
下記の記事を参考にしてください。
1-6.購入希望者と価格交渉・その他の条件交渉をする。
あなたのマンションの購入希望者が現れましたら、価格交渉や条件交渉があることがほとんどです。
詳しくは、下記の記事を参照ください。
1-7.売買契約を締結する。
購入希望者と売買価格や条件などの話がまとまりましたら、不動産会社が立会いのもと、売主と買主とで売買契約を締結します。
売買契約書には、重要なことが書かれていますので、確認してください。
詳しくは、下記の記事を参照ください。
1-8.決済・引き渡しを行う。
マンション売却の最後のイベントとなるのが、決済・引き渡しです。
売買代金の授受や所有権移転等など重要なことを行いますので、事前にシミュレーションをしておきましょう。
決済・引き渡しに関する記事は、下記の参照ください。
- マンション売却時の決済の流れ
- マンション売却における、住民票の移動のタイミングと注意点
- 不動産の決済の振込手数料は売主負担?それとも買主負担?
- 住宅ローンの保証料はいくら返金されるの?
- マンション売却時に印鑑証明が必要な理由と注意点
- マンション売却時の抵当権抹消を徹底解説!
- 管理費・修繕積立金の清算方法
- マンション売却時の固定資産税・都市計画税の精算方法
1-9.売却後
決済・引き渡しが終われば、それで終わりではありません。
下記の手続きも取っておきましょう。
- 確定申告を忘れずに!
- 返金あり!マンション売却後、火災保険の解約を忘れずに!