住み替えをしたいんだけど、今住んでいるマンションを売ったとしても、住宅ローンを完済することができないの。
だから、住み替えローンを借りたいと思っているんだけど、どのような流れで借りたらいいのかしら?
そうだ、佐藤さんに聞いてみよう!
こんにちは。マンション売却アドバイザーの佐藤です。
住み替えローンは、「新居の購入」と「旧居の売却」を同時に行うことが条件ですから、流れが複雑で分かりにくいですよね。
結論からになりますが、住み替えローンは、下記の流れで行います。
- 住宅ローンの残高を確認する。
- 不動産会社に査定を依頼する。
- 「売り先行」にするのか「買い先行」にするのかを決める。
- 不動産会社と媒介契約を結ぶ。
- 売却するにあたっての条件を調整する。
- 売却の売買契約を結ぶ
- 代金決済と引き渡しを行う。
では、これらを順番に詳しく見ていきましょう。
この話が終わるころには、住み替えの流れがイメージできると思います。
1.住宅ローンの残高を確認する。
不動産を売却するには、住宅ローンの残りを完済することが条件ですから、まずは住宅ローンの残高を確認しましょう。
確認方法は、主に下記の3つがあります。
- 返済予定表で確認する。
- インターネットバンキングで確認する。
- 金融機関に問い合わせて確認する。
住宅ローンを組んでいる方には、金融機関から返済予定表が送られてきていると思いますので、そこで確認することができます。
また、金融機関にインターネットバンキングのサービスがある場合は、そこでも確認することができると思います。
もちろん、金融機関に問い合わせても確認することはできます。
まずは、住宅ローンの残高を確認したらいいんだね。
次は何をしたらいいのかしら?
2.不動産会社に査定を依頼する。
住宅ローンの残高が確認できましたら、次は不動産会社に査定を依頼して、いくらの物件に住み替えができそうなのかを調べます。
査定を依頼するポイントは、複数の不動産会社に査定を依頼することです。
なぜなら、不動産会社によって、査定額が高いところもあれば、低いところもあるからです。
また、「質の良い不動産会社を見極める」といった理由もあります。
住み替えローンの計画が狂わないようにするためにも、必ず、複数の不動産会社に査定を依頼するようにしましょう。
面倒だと思われるかもしれませんが、無料一括査定サービスを利用すると簡単にできます。
不動産一括査定サービスはいくつかありますが、東証一部上場企業のNTTデータが運営している「HOME4U(ホーム・フォー・ユー)」がおススメです。
なぜなら、主に下記の4つのメリットがあるからです。
- 東証一部上場のNTTデータが運営しているので安心。
- 厳選された不動産会社900社のなかから、最大6社に一括査定。
- 2001年からの運営実績のなかで、悪徳不動産会社は排除されている。
- 査定結果の連絡方法は「メール」「電話」から選択できる。
もちろん費用は無料なので、利用しない手はありません。
無料一括査定サービスは便利そうだね。
入力画面に机上査定と訪問査定ってあるけど、どちらを選んだらいいのかしら?
2-1.机上査定と訪問査定、どっちを選ぶ?
査定には、机上査定と訪問査定の2種類があります。
- 机上査定:営業マンが物件を見ずに、過去のデータをもとに査定をします。
- 訪問査定:営業マンが物件を見たうえで、過去のデータも参考にして査定をします。
不動産会社にもよりますが、基本的に仲介会社は営業がしつこくありませんから、まずは多くの不動産会社(最大6社)に机上査定を依頼します。
そして、そのなかから対応が良い不動産会社を3社に絞り込み、今度は訪問査定を依頼します。
そうすることで、効率よく査定を進めることができます。
もし、最初から6社に訪問査定を依頼してしまえば、その対応が大変になってしまいますので、それは避けるようにしましょう。
査定のときは、営業マンに住み替えローンを考えていることを、忘れずに伝えください。
いくらまでの物件に住み替えできそうなのか、教えてくれるはずです。
住み替えローンの目処がたちましたら、売り先行でいくのか、買い先行で行くのか決めます。
売り先行?買い先行??
いったい、どういう意味なのかしら?
3.「売り先行」か「買い先行」かを決める。
売り先行とは、先に現住居を売却する売買契約をしてから、後で新住居を購入する売買契約をすることをいいます。
買い先行はその逆になりますが、先に新住居を購入する売買契約をしてから、後で現住居を売却する売買契約をすることをいいます。
住み替えはタイミングを合わせるのが大変なので、どちらとも、1社の不動産会社に依頼した方がスムーズにいきます。
また、住み替えローンの方もそうですが、現住居の住宅ローンと同じ金融機関で、新住居の住宅ローンを組んだ方がスムーズにいきます。
なお、売り先行と買い先行には、それぞれデメリットがありますので、しっかりと理解しておくことが大切です。
3-1.売り先行のデメリット
- 期限までに新住居を買わなければならない。
- 引き渡し日を延ばしすぎると、売れにくくなる。
では、順番に詳しく見ていきましょう。
3-1-1.期限までに新住居を買わなければならない。
先に現住居を売却する売買契約をした場合、決済・引き渡しの日までに、なんとしてでも新住居を買わなければなりません。
そのため、焦ってしまって、妥協して買ってしまう恐れがあります。
もし、新住居を買うことができなければ、住み替えローンが成立しないことになります。
また、現住居の買主に対して、違約金や損害賠償の対象(売却価格の10~20%が一般的)になってしまいます。
3-1-2.引き渡し日を延ばしすぎると、売れにくくなる。
上記の理由から、売主としては、売買契約日から決済・引き渡し日までの期間を、あらかじめ長くした条件で売り出したいところです。
しかし、あまりにも長すぎると、今度は売れにくくなってしまいます。
買主の立場に立って考えてみましょう。
例えば、「1年後に引き渡し」という条件のある物件を、あなたなら買うでしょうか?
よほど条件が合っていたり、価格が安いなどの特別な理由がない限り、買わないのではないのでしょうか。
決済・引き渡し日は、売買契約の日から3~4ヵ月以内が多く、長くても6ヵ月以内が一般的です。
3-2.買い先行のデメリット
- 期限までに旧居を売却しなければならない。
先に新住居を買うための売買契約をした場合は、新住居の決済・引き渡し日までに、なんとしてでも現住居を売却しなければなりません。
売却できなければ、住み替えローンが成立しないことになりますから、そのため、安売りしてしまう恐れがあります。
また、基本的に売却ができなければ、新住居の契約に違反することとなり、違約金や損害賠償の対象になってしまいます。
ただ、買い先行の場合は、このような事態を避けるために、下記の方法があります。
- 業者の買取
- つなぎ融資
- 買い替え特約
では、順番に詳しく見ていきましょう。
3-2-1.業者の買取
価格を下げても売れなければ、最悪、業者に買取をしてもらうという方法もあります。
ただ、買取価格は相場の6~7割り程度になることが多いです。
その理由は、業者は買取する目的が、不動産を転売して利益を得ることだからです。
最悪の事態を考えて、不動産会社に買取の相談もしておきましょう。
3-2-2.つなぎ融資
つなぎ融資とは、新住居を購入するために、一時的に借りるお金のことをいい、住み替えローンとは別物になります。
下記のようなケースが、これに当てはまります。
- 「新住居の決済までに、現住居の売却が間に合わない。」
- 「現住居はまだ売れていないが、先に気に入った物件が見つかった。」
例として、新住居の決済までに、現住居の売却が間に合わない場合の流れ見てみましょう。
- 現住居の住宅ローンの残りを、つなぎ融資のお金で完済する。
- 新住居を、住宅ローンで購入する。
- 現住居を売却したお金で、つなぎ融資を返済する。
つなぎ融資では、上記のように行うことができます。
ただ、下記のような条件があります。
- 借りている間は、金利を支払わなければならない。
- 住宅ローンよりも金利が高い。
- 融資期間は、一般的には6ヵ月~1年以内。
つなぎ融資は、不動産会社が提携する金融機関や、不動産会社が自社で行っているローンなどでこの融資を受けることができます。
詳しくは、不動産会社に相談してください。
3-2-3.買い替え特約
買い替え特約とは、もし、現住居を売却することができなければ、新住居の契約を白紙に戻すことができるという、買主にとっては素晴らしすぎる特約です。
しかし、逆に売主にとっては、リスクでしかありません。
そのため、売主が個人の場合は、買い替え特約をつけることを断わられるケースが多いです。
売主が業者の場合は応じてくれるケースはありますが、逆に考えると、売主が業者の物件しか買うことができないことになりますので、選択肢が減ってしまいます。
以上が、買い先行のリスクを回避する主な方法になります。
3-3.結局「売り先行」と「買い先行」では、どっちがいいの?
売り先行と買い先行のどちらがいいかは、売主や現住居の状況や、新住居の状況によって変わってきますが、基本手には買い先行がおススメです。
なぜなら、上記で紹介したように、業者の買取やつなぎ融資、買い替え特約といったリスクを回避する方法があるからです。
では、話を住み替えの流れに戻して、詳しく見ていきましょう。
4.不動産会社と媒介契約を結ぶ。
「売り先行」と「買い先行」どちらにするかが決まりましたら、不動産会社と媒介契約を結んで、いよいよ売り出し開始です。
5.売却条件の交渉を行う。
購入希望者から購入申し込みが入りましたら、売買価格などの交渉を行っていきます。
条件が折り合いましたら、売買契約へと移ります。
6.売却の売買契約を結ぶ
売買契約書には、決済・引き渡しの期限を定めます。
一般的には、売買契約から3~4ヵ月以内とすることが多く、長くても6ヵ月以内です。
7.代金決済と引き渡しを行う。
住み替えの場合は、基本的には、決済・引き渡しを同日に行います。
段取りは不動産会社が行いますが、「売り」と「買い」の決済・引き渡しを同時にするため、日程を合わせるのが大変です。
したがって、不動産会社や司法書士、金融機関などのすべての方の協力が必要です。
決済・引き渡しの当日は、一般的に下記の人達が集まります。
- 現住居の売主
- 現住居の買主
- 不動産会社
- 司法書士
- 金融機関の担当者
- 新住所の売主
流れとしては、下記の手順で行います。
- 買主から売買代金を受け取る。
- 金融機関から、住み替えローンのお金が下りる。
- 売主は住宅ローンを完済する。
- 新住居の決済を行う。
- 司法書士が法務局にて、抵当権抹消や所有権移転登記を行う。
現住居の決済・引き渡しが終われば、その時点で、新住居は買主のものになります。
したがって、本来であれば、現住居の決済・引き渡し前までに、売主は引っ越ししておかなければなりません。
しかし、新住居の決済・引き渡しが終わってない状態なので、まだ引っ越すことができません。
このような矛盾を避けるために、引き渡し猶予の特約をつけておくのが一般的です。
7-1.引き渡し猶予の特約とは?
引き渡し猶予の特約を付けることで、先に決済と所有権移転登記はするけど、現住居は後日引き渡すことができます。
流れとしては、下記のようになります。
- 決済・所有権移転を行うが、引き渡しはまだ行わない。(※この時点で買主の持ち家になるため、売主は買主の持ち家に住んでいる状態になる。)
- 後日、売主は、旧居から新居へ引っ越す。
- 売主は買主へ、旧居を引き渡す。
※引き渡し猶予について詳しくは、下記のページを参照ください。
まとめ
今回は、住み替えローンの流れについてお話させていただきましたが、いかがだったでしょうか?
最後にもう一度、住み替えローンの流れを書いておきます。
- 住宅ローンの残高を確認する。
- 不動産会社に査定を依頼する。
- 「売り先行」にするのか「買い先行」にするのかを決める。
- 不動産会社と媒介契約を結ぶ。
- 売却するにあたっての条件を調整する。
- 売却の売買契約を結ぶ
- 代金決済と引き渡しを行う。
色々教えてくれてありがとう!
また分からないことがあれば、教えてね。