
マンションを売却した場合、今まで支払った管理費や修繕積立金は、どうなるのかしら?
今まで住んだいる間に、マンションの大規模修繕はされなかったわ。
ひょっとして、修繕積立金の方は返還されたりするのかな?
そうだ、佐藤さんに聞いてみよう!

こんにちは。マンション売却アドバイザーの佐藤です。
マンションを売却するとなれば、今まで支払ってきた管理費・修繕積立金がどうなるのか気になるところですね。
結論から申し上げますと、マンションの「引き渡し日前」の分が売主負担、「引き渡し日後」の分が買主負担になります。
残念ながら、今まで支払った管理費・修繕積立金は返金されませんので、ご注意ください。
そこで、今回は、
- そもそも管理費・修繕積立金とは?
- 修繕積立金が返還されない理由
- 管理費・修繕積立金の清算方法
- 滞納している場合はどうなる?
ついて、お話させていただきます。
この話が終わるころには、マンション売却における管理費・修繕積立金について、理解することができると思います。
それではまいります!
1.そもそも管理費・修繕積立金とは?

理解を深めるために、管理費・修繕積立金について、いま一度おさらいしていきましょう。
管理費と修繕積立金は、どちらもマンションの維持管理に必要なお金です。
大きな違いは、管理費は短期的に使われるお金で、修繕積立金は長期的に使われるお金になります。
1-1.管理費とは?
管理費とは、日常的なマンションの管理に使われているお金です。
例えば、共有部分の清掃、エレベーターの定期点検、庭や草木の手入れなどです。
1-2.修繕積立金とは?
修繕積立金とは、将来の共用部分の大規模修繕のため、管理組合が貯めておくお金です。
例えば、外壁の修繕や、配管・電気系統の修繕などが、これに当てはまります。
修繕積立金は、建物が老朽化すればするほど、月々の支払額が上がっていくケースもあります。
2.修繕積立金が返還されない理由

管理費は日常的に使われるお金なのでともかく、修繕積立金は「積立金」なので返還されると思われている方が多いですが、残念ながら返還されません。
修繕積立金は、マンションを大規模修繕するために積み立てしたお金です。
どのようなマンションでも10年から15年に一度は大規模修繕が必要になるわけで、その費用は莫大なものです。
マンションを売却するたびに個別清算していたのでは、大規模修繕をすることができません。
また、そのような中古マンションを買いたいと思うでしょうか?
修繕積立金の返還が規約にある場合を除いて、買主は、売主が積立てした修繕積立金も含めて、マンションを購入するのです。
入居中に一度も修繕が行われなかった場合は違和感を感じるかもしれませんが、返還されないことについては、マンションの管理規約に明記されているはずです。
では、次に管理費・修繕積立金の清算方法について見ていきましょう。
3.管理費・修繕積立金の清算方法

冒頭でお話ししたとおり、管理費と修繕積立金は「引き渡し前」の分が売主負担、「引き渡し後」の分が買主負担になります。
そのようになるように、決済・引き渡し日に日割り精算を行います。
例えば、9月分の管理費・修繕積立金が、8月25日に引き落としされるマンションがあったとしましょう。
そして、マンションの引き渡しを9月15日に行うとします。
この場合、管理組合と打ち合わせをして、9月分までは売主から引き落とされ、10月分からは買主から引き落とされるようにします。
そして、決済・引き渡しの日に、9月15日~9月30までの分を日割り計算して、買主が売主へ支払います。

管理費と修繕積立金は、引き渡し日に日割精算をするんだね。
もし、滞納している場合はどうなるのかしら?
4.滞納している場合はどうなる?

管理費・修繕積立金の滞納分は、決済・引き渡し前までに売主が支払うことが一般的です。
区分所有法では、「滞納した債務は次の所有者に継承される」と定められており、つまり、売主が滞納している状態で買主に引き渡せば、買主に支払い義務が生じることになります。
しかし、これでは買主が納得いきませんよね。
したがって、売主は、買主から受け取った売買代金から支払って、買主に引き渡すことが多いです。
まとめ

今回は、マンション売却における管理費・修繕積立金についてお話させていただきましたが、いかがだったでしょうか?
最後に、重要な点をまとめますと、下記のようになります。
- 管理費・修繕積立金は返還されない。
- 管理費・修繕積立金は、引き渡し日をもって日割り清算する。
- 滞納している場合は、引き渡し前までに、売主が支払うことが一般的。

色々教えてくれてありがとう!
また分からないことがあれば、教えてね。