マンションを売却したら、加入している火災保険はどうなるのかしら?
住宅ローンで購入したときに、保険料(35年分)を一括で支払ったわ。
加入してから、もう10年になるの。
売却したら途中で解約となって、残りの年数分が返金されるのかしら?
そうだ、佐藤さんに聞いてみよう!
こんにちは。マンション売却アドバイザーの佐藤です。
結論からになりますが、マンション売却後は、もう火災保険が不要になりますので、解約しましょう。
売却すれば自動的に解約されるのではなく、保険会社に連絡が必要です。
35年などの長期契約で10年しか経過していないのであれば、残りの25年分(未経過保険料)が返金されます。
今回は、マンション売却における火災保険について、詳しくお話させていただきます。
1.途中で解約すれば、返金される。
住宅ローンでマンションを購入された方は、火災保険に加入することが条件になりますから、加入されていると思います。
一般的に、ローンの支払い年数(35年など)に合わせて、火災保険も長期契約を結び、初回に一括で支払うケースが多いです。
冒頭でもお話しましたが、マンションを売却したら、もう火災保険は不要になりますので、解約しましょう。
35年契約で、10年しか経過していないのであれば、残りの25年が未経過保険料となり、返金の対象となります。
この未経過保険料のことを、解約返戻金(かいやくへんれいきん)とも呼ばれています。
注意しなければならないのが、火災保険は、こちらから保険会社に解約の連絡しないと、解約されないことです。
マンションを売却したとしても、金融機関と保険会社は別になりますので、忘れずに連絡しましょう。
火災保険は、途中で解約して未経過分がある場合は、返金されるんだね。
ところで、いくら返金されるのかしら?
1-1.火災保険の返金額はいくらなの?
返金額は、保険会社によって計算方法が違いますので、一概には言えません。
保険会社に問い合わせて、確認するのがベストです。
参考までに、基本的な計算方法は、下記の通りになります。
返金額=保険料×未経過料率係数
未経過料率係数については、保険会社に確認が必要です。
例えば、加入年数が35年、経過年数が10年1ヶ月、保険料が20万円の場合は、ある保険会社では未経過料率係数が77となり、約77%が返金されます。
したがって、「20万円×77%=154,000円」が返金額となります。
もし、地震保険に加入している場合は、地震保険の方も同じように返金されます。
なるほどね、返金額については保険会社に確認してみるわ。
一つ気になることがあるんだけど、火災保険は、どのタイミングで解約したらいいのかしら?
2.火災保険を解約するタイミング
火災保険を解約するタイミングは、マンションの引渡しが終わってからにしましょう。
たまに、「引き渡し」ではなく、「引越し」をした時点で解約しようとする方がいらっしゃいますが、金融機関によっては火災保険への加入が条件となっているところがあり、規約違反になる可能性があります。
また、空き家の状態でも、火災になる可能性が十分にあります。
以前、実際に空き家に不審者が侵入して、小火(ぼや)になったことがありました。
したがって、火災保険は引っ越し後ではなく、引き渡し後に解約するようにしましょう。
引き渡し日が決まっていたとしても、その日に引き渡しができないこともありますので、やはり解約は引き渡し後が望ましいです。
なるほどね、マンションの引き渡し後に解約することにするわ。
解約するときは、保険会社に連絡したらいいんだよね?
2-1.解約は保険会社へ連絡する。
火災保険を解約される場合は、保険代理店に「〇月〇〇日をもって解約したい」と告げれば、その日から解約ができます。
もちろん、電話でOKです。
ちなみに、解約日は遡ることができませんので、早めに連絡するようにしましょう。
代理店から解約の書類が送られてきますので、それに署名・捺印をして返送すれば、解約の手続きが進みます。
2-1.質権が設定されている場合
最近は少なくなりますが、金融機関が火災保険に、質権を設定している場合があります。
質権とは、もし、マンションが火災になったときに、金融機関が、保険金を受け取ることができるようにする権利です。
保険金は、契約者に直接支払われず、まずは金融機関に支払われ、住宅ローンの返済にあてられます。
この場合は、保険証書は金融機関が保管しています。
解約するには、金融機関に連絡して「質権消滅承認請求書」を郵送してもらいます。
そして、必要事項を記入し、金融機関に送り返します。
すると、金融機関から質権抹消書類が送られてきます。
その書類をもって保険会社に解約の連絡をすると、解約手続きが進んでいきます。
3.保証料も返金される。
住宅ローンで購入したマンションを売却した場合は、火災保険以外にも保証料が返金の対象になります。
手続きは、抵当権抹消と一緒に、金融機関が行ってくれます。
なお、ローン契約時に金利に上乗せするタイプの保証料の場合は、戻ってこない可能性があります。
まとめ
今回は、マンション売却における火災保険についてお話させていただきましたが、いかがだったでしょうか?
最後に、重要たことを下記にまとめておきますね。
- 火災保険を解約して、未経過分がある場合は、返金される。
- 火災保険は、こちらから連絡しないと解約されないため、忘れずに連絡する。
- 解約のタイミングは、マンション引き渡し後に行う。
- 保証料も返金の対象になる。
色々教えてくれてありがとう!
また分からないことがあれば、教えてね。