白鳥さん白鳥さん

マンションの売却を途中でキャンセルした場合、違約金などのペナルティがあるのかしら?

もしペナルティがあるとしたら、いつまでならペナルティ無しでキャンセルできるのか知っておきたいわ。

そうだ、佐藤さんに聞いてみよう!

佐藤さん佐藤さん

こんにちは。マンション売却アドバイザーの佐藤です。

マンションの売却を途中でキャンセルする場合は、どの時点でキャンセルするかによって、ペナルティの有無・仲介手数料の有無が変わってきます。

主に、下記の4つのタイミングに分類されます。


  1. 媒介契約期間中のキャンセル
  2. 買主の購入申込から、売買契約締結前までのキャンセル
  3. 売買契約締結後から、手付解除期日前までのキャンセル
  4. 手付解除期日後から、引き渡しまでのキャンセル

また、上記の4つは「売主もしくは買主の都合」によるキャンセルになりますが、それとは別に、下記の「売買契約の特約」によるキャンセルもあり、少し性質が違うものになります。


  1. 住宅ローン特約によるキャンセル
  2. 買い替え特約によるキャンセル

それぞれペナルティや仲介手数料の有無に違いがありますので、不当な請求をされないためにも、キャンセルについてしっかり理解しておくことが大切です。

そこで、今回は、上記6つにおけるキャンセルについて、詳しくお話させていただきます。

この話が終わるころには、マンション売却の途中でのキャンセルについて理解し、自分がキャンセルした際や、相手からされた際に、適切な対応ができるようになると思います。

それでは、まいります!

1.媒介契約中のキャンセル

佐藤さん佐藤さん

ここでいう「媒介契約中のキャンセル」とは、売主と不動産会社との間で締結した媒介契約の期間中に、途中で媒介契約をキャンセル(解除)することをさします。

結論からになりますが、媒介契約の期間中は、原則として、いつでもキャンセル(解除)をすることができ、違約金はかかりません。

なぜなら、媒介契約は準委任契約であり、民法の委任契約の解除規定の適用が認められるからです。

ただし、場合によっては、不動産会社がそれまでに支払った費用(物件の調査費用・広告費など)の支払い義務を負うケースもありますので、注意が必要です。

1-1.一般媒介契約の場合

一般媒介契約の場合は、媒介契約を途中で解除しても、基本的に売主は費用の支払い義務を追わないため、請求されることはありません。

なぜなら、通常の仲介業務で不動産会社に発生する費用は、売買契約成立時に発生する仲介手数料に含まれるものだからです。

ただし、売主が何か特別なこと(特別な広告や、遠隔地への出張など)を依頼した場合は支払い義務を負うため、その実費分を請求される可能性があります。

下記の条件をすべて見たいしている場合は、請求される可能性があります。

  1. 売主の依頼に基づいて発生したものであること
  2. 通常の仲介業務では発生しない費用であること
  3. 実費であること

1-2.専任媒介契約・専属専任媒介契約の場合

専任媒介・専属専任媒介の途中で解除した場合は、それまでにかかった費用(広告費や物件調査費用・交通費など)を請求される可能性があります。

国土交通省規定の標準媒介契約約款に、その旨が記載されています。

(費用償還の請求)

第12条 専属専任媒介契約の有効期間内において、乙の責めに帰すことができない事由によって専属専任媒介契約が解除されたときは、乙は、甲に対して、専属専任媒介契約の履行のために要した費用の償還を請求することができます。

2 前項の費用の額は、約定報酬額を超えることはできません。

2.買主の購入申込から、売買契約締結前までのキャンセル

佐藤さん佐藤さん

売買契約を締結する前であれば、売主・買主はいつでもペナルティ無しでキャンセルできます。

たとえ、買主から購入申し込みが入り、売主が一度は承諾したとしても、ペナルティ無しでキャンセルすることができます。

法律が詳しい方は「民法上では口約束があった時点で契約成立では?」と思われるかもしれませんが、不動産業者が介在した取引では、民法よりも宅建業法が優先されます。

宅建業法では、宅建士が重要事項の説明をした上で、売買契約書に売主と買主が署名・捺印しなければ、契約は成立しないと定められています。

したがって、売買契約締結前はまだ売買契約が成立していないため、ペナルティ無しキャンセルが可能です。

仲介手数料は発生するの?

売買契約を締結する前であれば、仲介手数料は発生しません。

仲介手数料は成功報酬のため、不動産会社は売買契約が成立するまでは請求をすることができません。

3.売買契約締結後から、手付解除期日前までのキャンセル

結論としては、下記のようにすることでキャンセル(手付解除)することができます。

  • 買主は、支払い済みの手付金を放棄する(手付流し)
  • 売主は、手付金を買主に倍返しする(手付倍返し)

3-1.手付金とは?

手付金とは、売主もしくは買主が売買契約を解除したいときのための保証金です。

通常、売買契約締結時に、買主から売主に手付金を支払います。

この手付金は、残代金支払いのときに売買代金の一部として充当されます。

不動産の売買では、手付金は解約手付けとして扱われることが一般的です。

3-2.解約手付けとは?

手付金には、解約手付、違約手付、証約手付の3種類がありますが、不動産の売買における手付金は「解約手付」として扱われます。

相手方が履行に着手するまで、以下により売買契約を解除できます。

  • 買主は、支払い済みの手付金を放棄する(手付流し)
  • 売主は、手付金を買主に倍返しする(手付倍返し)

これらの「手付放棄」と「手付倍返し」によって契約を解除することを「手付解除」と呼びます。

全日本不動産協会の売買契約書のひな形にも、下記のように記されています。

第10条(手付解除)

売主は、買主に受領済みの手付金の倍額を支払い、また買主は売主に支払済みの手付金を放棄してそれぞれ本契約を解除することができる。

ただし、売主が本条による解除の意思表示をなす場合には、受領済みの手付金の倍額を現実に買主に提供しなければならない。

なお、後日の紛争を回避するため、解除の通知は、書面をもって行う。

例として、手付金が100万円の場合は、下記の通りになります。

  • 買主は、手付金100万円を放棄することによって、売買契約を手付解除することができる。
  • 売主は、手付金の2倍である200万円を支払うことによって、売買契約を手付解除することができる。

3-3.手付解除はいつまでできるの?

手付解除は、いつまでもできるわけではなく、通常では売買契約書に期限を定めます。

期限は相談で決めるようになりますが、売買契約の日から2週間前後で定めることが多いです。

ちなみに、民法では、契約の履行に着手するまでと書かれています。

民法 第557条

買主が売主に手付を交付したときは、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を償還して、契約の解除をすることができる。

また、売買契約書にも、同様のことが書かれています。

第10条(手付解除)

2.本条による解除権は、相手方が本契約の履行に着手したときまたは標記の期日(E)を経過したときは、行使することができない。

しかし、契約の履行といっても、どのような行動が契約の履行になるのか判断が難しいため、実務上では、売買契約書に期限を定めることが一般的です。

3-4.手付金の相場

手付金の額は決まりがないので、不動産業者を通して、売主と買主とで相談して決めるようになります。

手付金があまりにも高ければ、お互いに手付解除しにくくなりますし、あまりにもやすければ、簡単に手付解除ができてしまいます。

それを考慮し、売買価格の5~10%とすることが多いです。

例えば、売買価格が2,000万円であれば、100万円~200万円が相場となります。

また、売買価格が4,00万円だとしても、きりがいいところで、100万円とするケースも多いです。

ようするに、手付解除が簡単にできないように、大金と感じる額にすることが多いです。

ただ、最近では手付金が少ない傾向にあり、10~30万円のケースも珍しくはありません。

手付金の支払い方法は、手持ちの現金で支払われることが一般的ですが、最近では、手持ちの現金を持ち合わせていない方が、多い傾向にあります。

もちろん、手持ちの現金がなくても、住宅ローンを組めば、マンションを購入することができます。

そのようなケースだと、手付金が10~30万円などの少額になるケースが多いです。

ただ、少し注意しなければならない点が、手付解除がされやすくなるという点です。

売買契約を結んだあとは、買主は手付金を放棄することで、売買契約を解除することができます。

もし、手付金が100万円の場合は、大金なので放棄しにくいものです。

しかし、手付金が10万円の場合はどうでしょうか。
100万円よりも放棄しやすいですよね。

このように、手付金が少額な場合は、手付解除のリスクが高くなるわけです。

3-5.手付金は、すぐ使わない方がいい理由。

買主から手付金を受け取ったとしても、すぐには使わない方がいいです。

なぜなら、返金しなければならないケースがあるからです。

したがって、基本的に住宅ローンの本審査に通るまでは、手付金は使わずに保管しておいた方がいいです。

手付解除の場合、仲介手数料はどうなる?

手付解除の場合、仲介手数料は発生します。

手付解除の場合、売主もしくは買主の都合であって、不動産会社に落ち度はありません。

4.手付解除期日後から、引き渡しまでのキャンセル

手付解除期日後のキャンセルは、違約金が発生します。

本来であれば損害賠償に発展しますが、裁判となれば費用と時間がかかりますので、円滑に解決するためにあらかじめ違約金が定められています。

違約金の相場は売買価格の20%です。

例えば、売買価格が3,000万円の場合は、600万円になります。

なお、違約金が支払われた場合は、手付金は返還することになります。

仲介手数料はどうなる?

手付解除期日後の場合、仲介手数料は発生します。

手付解除の場合と同様になります。

5.住宅ローン特約によるキャンセル

売買契約の特約によるキャンセルには、主にローン特約と買い替え特約の2つがあります。

5-1.住宅ローン特約

住宅ローン特約とは、簡単にいえば「もし買主が住宅ローンの本審査に落ちた場合、売買契約を白紙解除にします」といった特約です。

買主が住宅ローンを組む際は、下記の流れで進んでいきます。

  1. 買主は購入申込後に仮審査を行います。
  2. 仮審査に通ってから売買契約を締結します。
  3. 売買契約後に本審査があります。

仮審査に通れば本審査にも通りますが、たまに落ちる場合もあります。

本審査に落ちてしまえば、買主はマンションを購入することができません。

買主都合のキャンセルではないため、違約金は発生しないし、手付金も変換しなければなりません。

仲介手数料はどうなる?

仲介手数料は発生しません。

6.買い替え特約によるキャンセル

買い替え特約とは、買主が住み替えを行う上で、先に新居の売買契約を締結した際の特約です。

「旧居(今住んでいる家)が売却できれば、新居の売買契約が有効になる」といった、買主に都合のいい、売主にとってはリスクでしかない特約です。

もし、買主が旧居を売却できなければ、買主はペナルティなしで売買契約を白紙にできます。

買い替え特約により売買契約が白紙解除になった場合は、手付金は返還され、違約金は発生しません。

売主にとってはリスクでしかないため、断ってもらっても構いません。

売主や不動産会社にとっては大きな不安材料になる。

仲介手数料はどうなる?

買い替え特約による停止条件による解除などは、不動産会社の報酬請求権も喪失してしまいます。

不動産会社にとってもリスクが大きい特約になります。

まとめ

佐藤さん佐藤さん

今回は、マンションの売却におけるキャンセルについてお話させていただきましたが、いかがだったでしょうか?

白鳥さん白鳥さん

色々教えてくれてありがとう!

また分からないことがあれば、教えてね。