マンションの売却代金は、いつ、どのように入金されるのかしら?
大事なことなので、あらかじめ知っておきたいわ。
そうだ、佐藤さんに聞いてみよう!
こんにちは。マンション売却アドバイザーの佐藤です。
マンションの売却代金は、基本的には以下の2回に分けて入金されます。
- 売買契約のとき
- 決済・引き渡しのとき
たまに「売買契約」と「決済引き渡し」の間に、中間金が支払われることもありますが、実務上では滅多にありません。
なので、「売買契約」と「決済引き渡し」の2回と思っておいた方がいいでしょう。
「売買契約」と「決済引き渡し」の2回に分けて、入金があるんだね。
それぞれ、どのくらいの金額が入金されるのかしら?
金額としては、以下のようになります。
- 売買契約のときに、手付金として売却価格の10%(あくまで相場です。)
- 決済・引き渡しのときに、売却価格から手付金を差し引いた、残りの残金
手付金の額には決まりがなく、売却価格の10%とすることが多いです。
ただ、最近では10~30万円などの少額なケースもありますので、頭に入れておきましょう。
そういうことね。
それなら、もし2,000万円で売却したときは、売買契約のときに200万円、決済・引き渡しのときに1,800万円ってことね。
マンションを売り出してから、入金するまでの期間は、どのくらいなの?
マンションを売りに出してから入金があるまでの期間は、以下のようになります。
- 売却活動開始から売買契約までが、平均3ヶ月程度。
- 売買契約から決済・引き渡しまでが、平均1.5ヶ月程。
あくまでも平均なので、目安として考えておきましょう。
以上、簡単に説明させていただきましたが、ここから入金の流れや注意点などについて知っておきたいことを、詳しくお話していきますね。
1.売買契約のとき
売買契約のときに、手付金として初めての入金があります。
売却活動開始から売買契約までの期間は、平均3ヶ月ほどと言われています。
※期間については、以下の記事を参考にされてください。↓
https://mansion-kyokasho.com/archives/576
流れとしては、売却活動をして、購入希望者が現れましたら、購入申込書を受け取ります。
その際、価格交渉が入ることが多く、売主と折り合いがつけば、売買契約へと進みます。
そして、不動産業者が立会いのもと、売主と買主とで、売買契約を締結します。
その際に、手付金を受け取ります。
手付金とは、売却代金の一部に充当されるもので、頭金のようなものです。
金額は決まりがないので、不動産業者を通して、売主と買主とで相談して決めるようになります。
一般的には、売買価格の10%とすることが多いです。
ただ、最近では手付金が少ない傾向にあり、10~30万円のケースも珍しくはありません。
なぜ、手付金が10万円~30万円などの少額なケースがあるの?
少額だったら、なんだか不安を感じるわ。
手付金の支払い方法は、手持ちの現金で支払われることが一般的です。
しかし、手持ちの現金がない場合は、どうしても少額になってしまいます。
もちろん、手持ちの現金がなくても、住宅ローンを組めば、マンションを購入することができます。
ただ、少し注意しなければならない点があります。
手付金の注意点
売買契約のときに受け取る手付金は、法律的には解約手付として扱われます。
では、解約手付けとは何か。
もし、売買契約後に、買主が契約を解除したい場合は、手付金を手放すことによって、解約できます(手付放棄)。
逆に、売主が契約を解除したい場合は、手付金の2倍の額を買主に支払うことで、解約できます(手付倍返し)。
これらをまとめて、「手付解除」と呼ばれています。
もし手付金が200万円などの高額な場合は、なかなか手放せる額ではないですよね。
しかし、手付金が10万円などの少額の場合は、手放しやすくなります。
したがって、売買契約後に手付解除されてしまうリスクが高まるわけです。
ただ、手付解除はいままでもできるわけではなく、売買契約書に期限が定められます。
一般的には、売買契約締結後から、2週間前後にすることが多いです。
なるほどね、手付金の額が少ないと、売買契約を解除されるリスクが高まるんだね。
ところで、手付金は受け取った後で、すぐに使ってもいいのかしら?
手付金は使わない方がいい。
買主から手付金を受け取ったとしても、すぐには使わない方がいいです。
その理由として、買主が住宅ローンの本審査に落ちるなどの理由で、売買契約が白紙になるケースがあるからです。
その場合、手付金は返金しなければなりません。
買主の住宅ローンの流れは、まず、仮審査に通ってから、売買契約を締結します。
そして、売買契約後に、今度は本審査があります。
仮審査に通っていれば、基本的に本審査も通りますが、たまに落ちることがあります。
そういうときの為に、売買契約書には予め、住宅ローン特約というものを入れておきます。
「本審査に通らなかった場合は、売買契約が白紙になります」との内容です。
もし、本審査に落ちて売買契約が白紙になった場合は、手付金を買主に返さなければなりません。
なので、基本的に住宅ローンの本審査に通るまで、手付金は使わずに保管しておいた方がいいです。
そういうことね。
買主が住宅ローンの本審査に通るまでは、手付金は使わずに保管しておくわ。
2.決済・引き渡しのとき
決済・引き渡しのときに、売却代金から手付金を差し引いた残金を受け取ります。
残金の受け取りと引き換えに、家の鍵や所有権などを買主に渡します。
売買契約から決済・引き渡しまでの期間は、1.5ヶ月程度かかります。
意外と時間がかかるのね。
なぜ、そんなにかかるの?
マンションを購入する方は住宅ローンを組んで購入する方が多く、住宅ローンの本審査や手続きに時間がかかります。
売買契約締結後に、住宅ローンの本審査がありますが、大体2~3週間ほどかかります。
そして、本審査に通ってから、決済・引き渡しの段取りを行います。
決済・引き渡しの日は、司法書士に法務局で所有権移転登記をしていただきます。
法務局が開いている平日にしかできないため、売主と買主の都合を合わせるのに時間がかかることが多いです。
もし、買主が現金で支払う場合は、ここまで時間はかかりません。
最短では、売買契約と決済・引き渡しを同時に行うケースもあります。
そいうことね。
ところで、現金はどのようにして受け取るのかしら?
大金なので慎重に受け取りたいわ。
どのようにして受け取るの?
受け取り方法は、現金、または預金小切手、銀行振り込みがあります。
一般的には、銀行振り込みになることが多いですが、買主の状況によって違いがあります。
- 買主が現金で支払う場合は、現金で渡されるか、銀行振り込みが多いです。
- 買主が住宅ローンを組んだ場合は、銀行振り込みになることが多いです。
- 買主が個人ではなく業者の場合は、預金小切手になることがあります。
なお、決済・引き渡しは、銀行で行われることが多いです。
買主の支払方法が現金の場合は、不動産業者の事務所ですることもあります。
大金が動くから、なるべくなら銀行の方が安心だね。
買主から受け取ったお金で、住宅ローンの残債を返済するには、どうしたらいいのかしら?
住宅ローンの残りは、どのようにして返済するの?
買主から受け取ったお金で住宅ローンの残債を返済する場合は、決済・引き渡しの日にすべて行います。
決済・引き渡しの日は、売主、買主、不動産業者、司法書士、住宅ローン残債の担当者が立ち会います。
簡単に言うと、以下の流れになります。
- まず、司法書士が、抵当権抹消登記や所有権移転登記に必要な書類が揃っているか、確認する。
- 買主の銀行口座に、住宅ローンが振り込まれる。
- 買主が売主に、売買代金を支払う。
- 売主が住宅ローンを返済する。
- 住宅ローン残債の担当者が司法書士に抵当権抹消登記に関する書類を渡す。
- 司法書士が法務局に行って、抵当権抹消登記をしてから、所有権移転登記をする。
まとめ
今回、マンションを売却したときの入金についてお話させていただきましたが、如何だったでしょうか?
話をまとめますと、売却代金は以下の2回に分けて入金されます。
- 売買契約のとき
- 決済・引き渡しのとき
入金される金額としては、以下のようになります。
- 売買契約のときに、手付金として売却価格の10%(あくまで相場。)
- 決済・引き渡しのときに、売却価格から手付金を差し引いた、残りの残金
手付金は、10~30万円などの少額なケースもありますので、頭に入れておきましょう。
また、買主が住宅ローンの本審査に通るまでは、使わずに保管しておきましょう。
マンションを売りに出してから入金があるまでの期間は、以下のようになります。
- 売却活動開始から売買契約までが、平均3ヶ月程度。
- 売買契約から決済・引き渡しまでが、平均1.5ヶ月程。
あくまでも平均なので、目安として考えておきましょう。
以上になります。
色々教えてくれてありがとう!
また分からないことがあれば、教えてね。