
マンションを売り出し中なんだけど、なかなか売れないの。
ひょっとして、売り出し価格が高いのかしら…。
もし値下げをするなら、どのタイミングでするべきなのかな?
それと、値下げをするにあたって、効果的な時期はあるのかしら?
そうだ、佐藤さんに聞いてみよう!

こんにちは。マンション売却アドバイザーの佐藤です。
マンションを売り出したものの、なかなか売れない・・・。
どうせ値下げをするなら、タイミングと時期を見計らいたいところですよね。
予め、下記のことを決めてスケジュールを立てておき、反響を見ながら値下げを検討すると、タイミングを決めやすくはあります。
- いつまでに売却したいのか。
- いつ値下げをするのか。
- いくら値下げをするのか。
しかし、このようなスケジュールが無ければ、反響を見て3ヵ月を目処に、値下げをするケースが多いです。
その大きな理由としては、専任媒介と専属専任媒介の契約期間が3ヵ月になっていることが多く、一つの区切りになるからです。
値下げの時期については、1月、もしくは9月が効果的ではあります。
とは言っても、中古マンションンは年間通して売買されていますから、必ずしもこの時期を待つ必要はありません。
1月・9月より少し前くらいに値下げを検討していれば、この時期を待つのがいいでしょう。
今回は、値下げのタイミングや効果的な時期について、深堀してお話させていただきますね。
1.「3ヵ月」を目処に値下げをするケースが多い理由

冒頭でもお話ししましたが、特に「いつ値下げをする」などの販売戦略が無ければ、値下げは3ヵ月を目処に行われるケースが多いです。
その一番の理由としては、専任媒介と専属専任媒介の契約期間が3ヵ月間になっていることが多いからです。
この3ヵ月間が一つの区切りとなり、値下げを検討するタイミングを与えます。
また、売り出してから成約に至るまでの平均期間は、約3ヵ月間とのデータがあります。
売却活動を開始して、3カ月を経過した時点で反響が悪ければ、むしろ、何かしらの対策を検討した方がいいでしょう。
その他にも、媒介契約の期限が切れることで、「不動産会社を変える」という選択もしやすくなります。
不動産会社の売却活動がおろそかな場合は、値下げよりも、むしろ不動産会社の変更を選択した方がいいでしょう。
このように、売り出し開始から3ヵ月後は一つの区切りとして、何かと検討してみる価値のある時期ではあります。

なるほどね、確かに3ヵ月間売却活動しても反響が悪ければ、何かと対策を考えた方がいいわね。
ところで、売れない原因って価格以外でどんなことがあるのかしら?
そこが改善できれば、値下げをしなくても済むわね。
2.売れない原因は価格なのか、今一度確認する。

値下げをする前に、売れない原因が本当に価格なのか、今一度確認するようにしましょう。
なぜなら、原因は価格ではなく、不動産会社の売却活動や、もしくは物件の状態に問題があるからかもしれないからです。
これらが原因の場合、そこを改善すれば、値引きをせずに売却できるかもしれません。
一度値下げをしてしまえば、当たり前ですが、今後値上げすることは難しいです。
値下げをする際は、やるべきことをすべてやってからにしましょう。
そこで、値下げをする前に、下記のチェックリストを確認してみてください。
2-1.不動産会社の売却活動をチェックする。
- 大手ポータルサイト(アットホーム、スーモ、ホームズなど)に掲載されているか。
- 売り出し中のマンションに、チラシを2回以上投かんしたか。
- 近隣の賃貸マンションなどにチラシを2回以上投かんしたか。
- そのチラシは、魅力的に作られているか。
- オープンハウスが可能な場合、実施したか。
- 物件資料(マイソク)は、魅力的に作られているか。
- レインズ(不動産流通機構)に登録されているか。
- 不動産会社が囲い込みをせずに、他の不動産会社に情報が行き渡っているか。
2-2.物件の状態をチェックする。
- 室内は綺麗に掃除されているか。(特に水回り)
- 室内(特に排水溝)から異臭がしないか。
- 照明を付けた明るい状態で内覧しているか。
- 空室で売却中の場合、アピールポイントや説明書きなどのパネルを設置しているか。
- そのほか、室内で印象が悪すぎる部分がないか。
2-3.その他
- 居住中で売り出している場合、内覧のときに売主が売り込みすぎていないか。
- 再び市場調査をして、競合物件に変化がないか。
- 購入希望者から、なぜダメなのか、その理由を聞いているか。

なるほどね、安易に値下げをする前に、上記のポイントを確認した上で、値下げをするようにするわ。
値下げをする際は、1月・9月が効果的だと言っていたけど、それは何故かしら?
3.値下げが最も効果的な時期

冒頭でお話させて頂きましたが、値下げの時期については、1月、もしくは9月が効果的ではあります。
では、何故この時期が効果的なのか、順番に見ていきましょう。
3-1.「1月」が効果的な理由
4月の新学期が始まる前までに、物件を購入すること希望されている方がいらっしゃるからです。
毎年1~3月にかけては、多少ではありますが、取引件数が増える時期です。
そのため、この時期に値下げをすれば、効果的だといえます。
逆に、12月は年末とのこともあって、物件探しをする方が少なくなります。
この時期に値下げをするのであれば、1月に入ってからの方がインパクトがあります。
3-2.「9月」が効果的な理由
10月以降の秋頃に、新築マンションの販売が多くなることが関係してきます。
新築マンションを検討されている方のなかには、中古マンションと比較検討している方もいらっしゃいます。
そのため、毎年10月頃は、多少ではありますが、中古マンションの取引件が増える時期ではあります。
したがって、9月末までに値下げをしていれば、効果的だといえます。
3-3.「1月」「9月」まで待つべきなの?
以上、値下げは1月・9月が効果的ではありますが、必ずしもこの時期を待つ必要はありません。
なぜなら、中古マンションンは年間通して売買されているからです。
賃貸の場合であれば、1~3月は繁忙期であり大忙しになりますが、売買の場合は、あくまでも多少です。
また、必ずしも1月・9月を待たなければならないのであれば、逆に機会損失になりかねません。
1月・9月より少し前くらいのタイミングで値下げを検討していれば、この時期を待ってみるといった程度で考えておきましょう。
ちなみに、不動産の場合はボーナス時期(6月や12月)に売れやすいといったことはありません。

値下げの時期は、1月・9月が有利だけど、多少有利になるといった程度ってことね。
ところで、値下げをする際は、どのくらい値下げしたら効果的なのかしら?
4.値下げ幅は、どのくらいが効果的?

値下げをする際は、売り出し価格から1割り程度値下げすると、インパクトがあって効果的です。
例えば、2780万円で売り出していた場合は、1割り値下げすると2,502万円になります。
この2,502万円を調整して、2,480万円で売り出すと安く感じるでしょう。
よく、数十万円の値下げを希望される方がいらっしゃいますが、ほとんど効果がありません。
例えば、2,780万円を50万円値下げしたとして、2,730万円にしたとしましょう。
あまり安くなった気がしませんよね。
また、十万円単位は値引き交渉されることが多いですから、結局は2,700万円になってしまいます。
やはり1割り程度がインパクトがあり効果的です。
下記では、値下げをする際のポイントをお話しさせていただきます。
4-1.十万円の単位は「8」か「9」に調整する。
先ほど、2,780万円を1割り値下げして2,502万円になり、それを調整して2,480万円にしました。
このように、十万円の単位を「8」か「9」に調整することで、心理的に安く感じることができます。
よくスーパーなどで、商品が1,000円ではなく、980円で販売されていますよね。
この方法は、不動産の売買でも有効です。
ちなみに、1~4の数字だと高く感じて、6~9は安く感じるそうです。
そして、5や0はというと、どちらとも感じないという心理があるそうです。
4-2.ポータルサイトの検索条件に合わせる。
中古の不動産を探されている方は、アットホームやスーモなどの不動産のポータルサイトを利用する方がほとんどです。
これらのサイトでは、500万円単位で価格を絞り込んで、検索できる仕組みになっています。
もし、2,580万円で売りに出したとしましょう。
この場合、2,500万円以内で検索した方には、ヒットしないことになります。
したがって、2,580万円で販売したいときは、思い切って2,480万円にすることを検討する価値があります。
4-3.値下げをしても価格交渉が入る。
売主としては、値下げをした直後に値引き交渉が入ると、気分がいいものではありません。
しかし、購入希望者は基本的に値引き交渉ができるものと考えている方がほとんどなので、致し方ないことではあります。
値引き交渉が入ることで極度の怒りを感じないように、心構えをしておきましょう。
不動産の営業マンが「値下げしたばかりなので値引き交渉はできません。」と、話をまとめてくれればベストではありますが。

値下げにも色々とポイントがあるんだね。
これらのポイントを生かして、値下げをするようにするわ。
まとめ

今回は、値下げのタイミングや効果的な時期についてお話させていただきましたが、いかがだったでしょうか?
最後に、重要な点をまとめておきますね。
- 値下げは、3ヵ月を目処に行われることが多い。
- 値下げをする前に、売れない原因は何なのか、今一度確認する。
- 値下げが最も効果的な時期は1月と9月だが、必ずしもこの時期まで待つ必要はない。
- 値下げ幅は、売り出し価格の1割りくらいが効果的。

色々教えてくれてありがとう!
また分からないことがあれば、教えてね。