
今住んでいるマンションを売却するんだけど、引っ越しはいつまでにしたらいいのかしら?
引っ越しを早めにしても売却できるかどうか分からないし、なるべくなら売却が決まってから引っ越ししたいの。
そうだ、佐藤さんに聞いてみよう!

こんにちは。マンション売却アドバイザーの佐藤です。
引っ越しは、基本的にマンションを引き渡す前までに済ませれば大丈夫です。
そのため、住んでいる状態で売りに出して、売買契約が成立してから引っ越しすることができます。
ただ、万が一、売買契約で定めた引き渡しの期限までに引っ越しができなければ、違約金の対象となってしまうため、早めに新居探しをすることが大切です。
したがって「売り出し」と「新居探し」を同時進行し、新居の目星をつけておきましょう。
そこで、今回は、マンション売却における引っ越しについて、詳しくお話させていただきます。
この話が終わるころには、引っ越しのタイミングや注意点などを理解し、どうするべきか判断ができると思います。
それではまいります!
1.引っ越しのタイミングはいつがベスト?
引っ越しのタイミングとして多いのは、売買契約から引き渡しまでの間に引っ越しをするパターンです。
マンション売却の流れを簡単にいうと、下記のようになります。
- 査定
- 媒介契約
- 売り出し
- 購入申込
- 売買契約
- 決済・引き渡し
買主がみつかり売買契約が成立すれば、売却することがほぼ確実になるため、それから引っ越しをされる方が多いです。
引渡し前までであれば、引っ越し日は売主の都合で自由に決めることができます。
2.引っ越しに関する注意点
引っ越しに関する注意点として、下記の4つに分けして説明していきます。
- 引き渡しの期限をできるだけ伸ばす
- 買主が住宅ローン本審査に通ってから引っ越しをする
- 賃貸住宅に引っ越しをする注意点
- 中古住宅・新築住宅に引っ越しをする注意点
では、順番に詳しく見ていきましょう。
2-1.引き渡しの期限をできるだけ伸ばす
売買契約書には、決済・引き渡しの期限を定めることが一般的ですが、まだ引っ越し先が決まっていない場合は、できるだけ期限を伸ばしておくと安心です。
期限は売買契約日から3ヵ月以内とすることが多いですが、余裕をもって4ヵ月以内にするなど、あらかじめ不動産会社に相談しておきましょう。
もし早めに引っ越しができた場合、買主の合意があれば、引き渡し日を早めることはできます。
しかし、期限までに間に合わないときは、トラブルになる可能性があります。
2-2-1.引っ越しが間に合わない場合
引き渡しの期限までに引っ越しが間に合わないときは、売買契約書の内容によりますが、基本的には違約金の対象になります。
違約金の額は売買契約書で定めることが一般的ですが、相場は売却価格の10~20%です。
もし売却価格が2,000万円であれば、200~400万円にもなります。
実際のところは、すぐに違約金による解決ではなく、話し合いにより解決することが一般的ですが、違約金の対象であることは変わりありません。
買主が損害を被るのであれば、その分を負担をするなどの話し合いになるでしょう。
2-2.買主が住宅ローン本審査に通ってから引っ越しをする
買主が住宅ローンを利用する場合は、本審査に通ってから引っ越しをするようにします。
買主が住宅ローンを組むときの流れは、下記のようになります。
- 購入申し込み
- 住宅ローンの事前審査
- 売買契約
- 住宅ローンの本審査
- 決済・引き渡し
マンションの購入申し込み後、住宅ローンの事前審査に通ってから売買契約を締結します。
そして、売買契約後に、今度は住宅ローンの本審査があります。
事前審査に通れば本審査にも通ることがほとんどですが、たまに本審査に落ちることがあります。
本審査に落ちたときのために、あらかじめ売買契約書には住宅ローン特約(本審査に落ちたときは売買契約が白紙解除になる特約)を入れておくのが一般的です。
したがって、買主が住宅ローンの本審査に通ってから、引っ越しをするようにしましょう。
それまでに新居の目星をつけておくとスムーズです。
2-2.賃貸住宅に引っ越しをする注意点
賃貸住宅に引っ越しするときの注意点は、おもに下記の2つがあります。
- 賃貸住宅には審査がある。
- 入居までに時間がかかる。
2-2-1.賃貸住宅には審査がある。
賃貸住宅は、管理会社もしくは大家さんの審査に通らないと借りることができません。
審査基準は物件によりさまざまですが、下記のようなところをみられます。
- 本人や連帯保証人の職業・年収・勤続年数。
- 年収に対して相応の家賃か。
- 家族構成に対して相応の間取りか。
- 保証会社の審査に通るか。
もし審査に落ちたときは、他の物件をあたっていく必要がありますので、早めに行動するようにしましょう。
2-2-2.入居までに時間がかかる。
賃貸住宅は入居するまでに数週間かかる物件がほとんどです。
入居審査や連帯保証人への確認、賃貸借契約書への署名・捺印などがありますし、リフォーム済みでなければリフォームの時間もかかります。
1週間以内に入居できる物件もありますが、1~2週間はみておいた方がいいでしょう。
2-3.中古住宅・新築住宅に引っ越しをする注意点
中古住宅や新築住宅を購入して引っ越しをする場合も、賃貸と同様、引き渡しまでに時間がかかるため、早急に行動しなければなりません。
資金的に余裕があり、先に新居を購入して引き渡しを受けることができれば、比較的スムーズにいきます。
しかし、下記のようなケースを見てみましょう。
- 旧居の住宅ローンがまだ残っている。
- 金融機関から、新居の住宅ローンを組むには、旧居の住宅ローンを完済することが条件だと言われた。
- 手持ちの現金がないため、旧居の住宅ローンを完済するには、旧居の売却代金をあてなければならない。
上記のケースでは、基本的には旧居と新居の決済・引き渡しを同じ日に行なわなければ、旧居から新居へ引っ越しができません。
しかし、現実的には法務局の営業時間などが関係し、物理的に難しいため、あらかじめ売買契約書に「引き渡し猶予の特約」というものを入れておきます。
2-3-1.引き渡し猶予の特約とは?
引き渡し猶予の特約を入れることで、下記のようにすることができます。
- 買主から売却代金を受け取り、所有権移転登記はするが、引き渡しは数日待ってもらう。
- 後日、新居の決済・引き渡しを行い、引っ越しをする。
- 後日、買主に旧居を引き渡す。
売主にとっては、旧居から新居へ引っ越しができるため、大変ありがたい特約です。
しかし、買主にとっては「売却代金を支払ったのに、まだ売主が住んでいる」という、違和感のある特約にはなります。
買主に納得してもらうために、不動産会社に分かりやすく説明してもらう必要があります。
引き渡し猶予についてもっと詳しくは、下記のページを参照ください。
3.そもそも空き家にした方が売れやすいの?
マンションを売りに出すときに、居住中よりも空き家の方が売れやすいので?と思われるかもしれません。
ケースバイケースにはなりますが、基本的には、売却をするために、無理して費用をかけてまで空き家にする必要はないと思っています。
なぜなら、どちらともメリット・デメリットがあるからです。
3-1.居住中のメリット
- 購入希望者は、内覧のときに売主に会ってどんな人か知ることができる。
- 購入希望者は、内覧の時に「そのマンションに詳しい売主の話」を聞ける。
- 家具などが配置されているため、購入希望者が生活のイメージをしやすい。
3-2.居住中のデメリット
- 売主・買主・不動産会社の都合が合わないと内覧できない。
- 家具・荷物があるし、売主もいるため、購入希望者は隅々までみにくい。
- 家具・荷物があると室内が狭く見える。
このように居住中にはメリット・デメリットがありますから、メリットを最大限に生かし、デメリットを最小限に抑えるように工夫をしましょう。
もっと詳しくは、下記のページを参照ください。
5.居住中で売り出すときのポイント
居住中で売り出すときのポイントをおさえておくことで、かなり印象が良くなります。
ポイントを簡単にまとめましたので、参考にされてください。
5-1.内覧にそなえてのポイント
- 旅行などの長期外出はなるべくさける。
- 内覧の日時はできるだけ購入希望者にあわせる。
- 掃除をしておく(とくにキッチン・お風呂などの水回り)。
- 荷物を整理して、室内を広くみせる(特にリビング)。
- 押し入れ・クローゼットのなかの整理も忘れずに。
5-2.内覧時のポイント
- 直前に空気の入れ替えをする。
- すべての電気をつけて明るくみせる。
- 室内を快適な温度にしておく。
- 癒し系の音楽を小音量でかけるのも一つの手(人は沈黙を嫌う)。
- 奥様以外は外出させておくと圧迫感がない。
- 売主は購入希望者と適度に会話をして好印象を与える(決して売り込まない)。
まとめ

今回は、マンション売却における引っ越しについてお話させていただきましたが、いかがだったでしょうか?
引っ越しは、基本的にマンションを引き渡す前までに済ませれば大丈夫ですが、早めに新居の目星をつけておくことが大事です。
不動産会社と相談しながら、売り出しと新居探しを同時進行で行っていきましょう。

色々教えてくれてありがとう!
また分からないことがあれば、教えてね。